【注目銘柄】スーパーバリューは2Q決算発表を先取りバリュー株買いが拡大して急続伸

注目銘柄

 スーパーバリュー<3094>(JQS)は、前日28日に105円高の1185円と急続伸して引け、ジャスダック市場の値上がり率ランキングの第9位に躍り出た。同社株は、今年10月14日に今2021年2月期第2四半期(2020年3月~8月期、2Q)累計決算の発表を予定しているが、今年7月の今期第1四半期(2020年3月~5月期、1Q)決算時の上方修正と同様に業績上ぶれ期待を高めてバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を下から上に抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現しており、1Q決算発表時の連続ストップ高の再現も有力視されている。

■今期純利益は大幅黒字転換して4期ぶり過去最高更新

 同社の今2月期業績は、売り上げは期初予想を据え置き800億円(前期比4.4%増)としたが、営業利益は7億4500万円引き上げて9億4500万円(前期は9億2700万円の赤字)、経常利益は6億9300万円アップさせて9億9300万円(同8億3000万円の赤字)、純利益は4億600万円上乗せして6億9000万円(同23億400万円の赤字)と大幅に黒字転換し、純利益は、前期計上の減損損失14億6000万円が一巡し、2017年2月期の過去最高(6億2700万円)を4期ぶりに更新する。

 前期は、消費税増税を前にした低価格志向や夏場の低温、9月の台風・長雨などの天候不順が響き、導入した新基幹システムが一時不具合となったことなどで業績低迷が続いた。今期は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応して店舗の営業時間短縮があったが、食品や日用雑貨品に巣ごもり消費需要が拡大し、昨年11月から取り組んでいる生鮮品の利益改善、グロッサリー・ホームセンターの在庫適正化、さらにチラシの配布を削減したことなどが寄与した。

 この通期上方修正業績に対して、1Qの着地業績の進捗率はなお目安の25%を上回っており、上方修正幅は控え目として10月14日の今期2Q累計決算発表時の業績再上ぶれ期待につながっている。

■ミニGⅭ示現で上昇トレンド転換しPER10倍の修正に拍車

 株価は、前期業績の下方修正とコロナ・ショック安が重なり年初来安値339円へ突っ込み、今期業績の黒字転換予想を手掛かりに617円まで底上げ、今年7月の今期業績の上方修正を挟んで4日間のストップ高を交えて年初来高値1308円へ急伸した。足元では、25日移動平均線を出没するもみ合いを続けてきたが、ミニGCを示現して25日線を上放れ上昇トレンド転換を示唆した。PER10倍台のバリュー株買いで年初来高値奪回から2017年7月の株式分割権利落ち後高値1500円を目指そう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る