ピースリーは動意づいて急伸、21年1月期黒字予想

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 ピースリー<6696>(東マ)は、メディアPlatform&ITサービスを今後の収益の柱と位置付けている。21年1月期黒字予想である。第2四半期累計は赤字だったが、利益は計画を上回った。通期ベースで収益改善を期待したい。株価は動意づいて急伸した。その後はやや乱高下の形だが、戻りを試す展開を期待したい。

■旧トランザスが子会社を吸収合併して商号変更

 IoT端末・機器のファブレス型メーカーである旧トランザスが、20年5月1日付で、美容院サロンサイネージなどメディアプラットフォーム事業を展開する子会社のピースリーを吸収合併し、商号をピースリーに変更した。

■デジタルサイネージ関連やIoTソリューション関連を展開

 合併・商号変更後の事業区分は、今後の収益の柱と位置付けるデジタルサイネージ関連のメディアPlatform&ITサービス事業、およびIoTソリューション事業、IT技術事業としている。

 メディアPlatform&ITサービスの美容院サロンサイネージでは、旧ピースリー(現ピースリーが事業承継)が20年1月、デジタルガレージ<4819>およびダリアと業務提携している。3社協業体制を確立し、先行3000店舗、1.8万台のメディアプラットフォームを創出する予定だ。

 さらにメディアPlatform、LEDサイネージ、ホテル向け次世代型VODのNGH(Next Generation Hospitality)などの展開を加速する。

 IoTソリューションでは、IoT端末となるSTB、ウェアラブル端末のCygnus、IoTルーム・コントローラーのAlrux(シンガポールの子会社TAPが21年1月期から東南アジアで本格展開開始予定)などの展開を加速する。

■21年1月期2Q累計は赤字だが通期黒字予想

 21年1月期連結業績予想は、売上高が20年1月期比97.3%増の15億45百万円、営業利益が81百万円の黒字(20年1月期は1億03百万円の赤字)、経常利益が81百万円の黒字(同1億02百万円の赤字)、純利益が68百万円の黒字(同1億22百万円の赤字)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比2.3%増の3億38百万円、営業利益が79百万円の赤字(前年同期は91百万円の赤字)、経常利益が77百万円の赤字(同93百万円の赤字)、純利益が91百万円の赤字(同99百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスの影響で、20年7月に見込んでいた美容サロン向けメディアPlatformのサービス開始が遅れたため、売上高は計画を下回ったが、IoTソリューションでSTB端末に関する大型受注が寄与して増収だった。各利益は赤字だったが、商材選別による売上総利益向上施策で計画を上回った。

 なお美容サロン向けメディアPlatformは20年8月にサービス開始した。21年3月末までにサロン3000店舗1.8万台設置予定である。またIoTソリューションのSTB、Sygnus、Alruxの導入拡大も推進する。通期ベースで収益改善を期待したい。

■株価は動意づいて急伸

 株価は動意づいて急伸した。その後はやや乱高下の形だが、戻りを試す展開を期待したい。9月29日の終値は1044円、今期予想連結PER(今期予想連結EPS19円77銭で算出)は約53倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS341円58銭で算出)は約3.1倍、時価総額は約38億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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