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システムサポートは調整一巡、21年6月期増収増益予想
- 2020/9/30 08:27
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
システムサポート<4396>(東1)は、データベース関連・クラウド関連・ERP関連のソリューション事業を主力としている。21年6月期は需要が堅調に推移して増収増益予想としている。新型コロナウイルスの影響は軽微のようだ。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■ソリューション事業が主力
データベース関連・クラウド関連・ERP関連サービスなどのソリューション事業を主力として、データセンターサービスやシステム保守・運用などのアウトソーシング事業、パッケージソフト開発・販売などのプロダクト事業も展開している。
20年6月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比は、ソリューション事業が83%、アウトソーシング事業が13%、プロダクト事業が4%、その他が0%、売上総利益構成比はソリューション事業が76%、アウトソーシング事業が15%、プロダクト事業が9%、その他が▲0%だった。
主力のソリューション事業は、Oracleデータベースの設計・構築・保守・運用などのデータベース関連サービス、AWSやAzureの基盤構築・導入・移行支援などのクラウド関連サービス、SAPの導入・保守・運用などのERP関連サービス、およびITシステム開発を展開している。
収益力向上に向けてストック収益のプライベート型クラウドサービスを拡大するため、地震の少ない金沢市にデータセンターを設置し、プロダクト事業では自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販を推進している。また米国シリコンバレーに子会社を設立し、最先端のIT技術・サービスの発掘に努めている。
9月15日には建築業向け工事管理システム「建て役者」について、弁護士ドットコム<6027>のWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」と連携する新オプション機能の提供開始を発表した。「建て役者」ユーザー(工務店)はクラウド上で契約作業を完結することが可能になる。
■データベース領域やクラウド領域での高い技術力が強み
データベース領域やクラウド領域での高い技術力を強みとしている。
データベース領域では、Oracleデータベース技術者に対する最高峰の認定資格ORACLE MASTER Platinum保有者数が国内累計3位、単年2位(18年8月時点)である。また19年度のORACLE Cloud Platform(PaaS/IaaS)認定資格取得数が国内1位となり、ORACLE Certification Awardを受賞した。
クラウド領域では、米アマゾン社のクラウドサービスAWSに関して、AWSコンピテンシープログラムでOracleコンピテンシーを取得している日本企業のうちの1社である。さらに米マイクロソフト社のクラウドサービスAzureに関して、Gold Cloud Platformパートナーに認定されている。
■21年6月期増収増益予想
21年6月期連結業績予想は、売上高が20年6月期比7.2%増の143億42百万円で、営業利益が5.8%増の7億98百万円、経常利益が10.3%増の7億85百万円、純利益が15.3%増の5億18百万円としている。配当予想は20年6月期と同額の10円(期末一括)としている。
需要が引き続き堅調に推移する見込みだ。新型コロナウイルスの影響については、顧客の業績によってはIT投資予算の縮小やプロジェクトの延期などが見込まれるものの、特定顧客への依存度が低いため当該影響は軽微としている。
重点施策として、ソリューション事業においてはデータベースおよびクラウド基盤関連の強化、米国発の企業向けクラウドサービス「ServiceNow」導入支援の強化、ストック収益となるデータセンターの稼働率上昇、自社プロダクトの販売強化などを推進する方針だ。収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価(20年6月1日付で株式2分割)は、6月の上場来高値から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。9月29日の終値は1732円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円66銭で算出)は約34倍、今期用配当利回り(会社予想の10円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS239円45銭で算出)は約7.2倍、時価総額は約179億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)