【編集長の視点】ヤマシンフィルタは直近IPO株人気を再燃させ割安修正買いが入り反発

編集長の視点

ヤマシンフィルタ <6240> (東2)は、10円高の3610円と反発し、今年10月8日につけた上場来安値3300円からの一段の底上げを窺っている。直近IPO(新規株式公開)株人気の再燃を期待し、建機向けフィルタの世界シェアトップや今3月期業績の2ケタ増益予想を見直し割安修正買いが下値に入っている。今期配当を56円と高配当を予定していることも、側面支援材料視されている。

■建機向けフィルタで世界トップを誇り今期配当も高配当

同社は、今年10月8日に公開価格2800円でIPOされ、初値を3350円でつけストップ高を交えて上場来高値4200円まで買い進まれ、同安値3505円まで調整し、この安値水準から底上げに転じている。この順調な初値形成は、同社が、建設機械向けのフィルタで世界トップのシェアを保有する高実績に加え、今3月期業績が2ケタ増益予想にあって公開価格がPERが9倍台と割安で、今期配当も、IPO株として異例の有配株として56円(前期実績40円)と予想していることなどが要因となっている。

この建設機械向けのフィルタは、油圧ショベルの作動油回路用やエンジンの潤滑油の濾過に使用され建設機械の稼働に不可欠で、定期的な交換需要に対応、建設機械の需要増減の変動に左右されずに安定的に推移していることを特徴としている。同社は、この安定需要に加えてフィルタ製品のラインアップを充実させ、さらに中国・アジア市場での補給部品に純正部品の採用率を向上させることなどにも取り組み、業績は好調に推移、今3月期業績は、売り上げ110億6900万円(前期比5.1%増)、経常利益7億8700万円(同11.1%増)、純利益5億3000万円(同57.6%増)と予想している。

同社顧客の米国建機メーカーは、今年10月23日に好調な四半期決算も発表、国内建機メーカーも、10月28日、31日に今3月期第2四半期(2Q)累計決算の発表を予定しているだけに、ヤマシンフィルタが、11月上旬に発表を予定しているIPO後初決算となる今期2Q累計業績の動向も注目されよう。

■最高値までの上昇幅の3分の2押し水準からPER12倍台の割安修正へ再発進

株価は、初値後につけた上場来安値3300円から同高値まで急伸して3505円まで調整、下げ過ぎとして200円超のリバウンドをして最高値までの上昇幅の3分の2押し水準を固めている。PERはなお12倍台と割安であり、半値戻し、全値戻しと一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

 

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