【注目銘柄】トーメンデバイスは決算発表を先取りし割安ハイテク株買いが再燃し急反発

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 トーメンデバイス<2737>(東1)は、今年9月25日につけた上場来高値4400円を視野に捉えた。同社は、10月29日に今2021年3月期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今年7月22日に開示した今3月期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)業績が、増収増益で着地し、今年5月に公表した今3月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことから、業績上ぶれ期待を高めて割安ハイテク株買いが再燃した。前期も、2Q累計決算時に業績の上方修正と増配を発表しており、連想されている。

■データセンター・パソコン向けのメモリ製品が好調に推移

 同社の1Q業績は、前年同期比19.5%増収、9.0%営業増益、14.2%経常増益、17.6%純益増益と伸び、今3月期通期予想業績に対する進捗率は、売り上げが27%、利益は各37%超と目安の25%を上回った。新型コロナウイルス感染症の感染拡大でリモートワークが推進され、データセンター向けやパソコン向けのDRAMメモリやフラッシュメモリの販売が堅調に推移し、海外向けでもスマートフォンの販売台数は減少したが、スマホ向けのMCPバッケージ製品のシェアが拡大し、高機能化で高精細カメラMOSイメージセンサーの売り上げが拡大したことなどが寄与した。

 今3月期通期業績は、新型コロナウイルス感染症の影響を保守的に見積もり、売り上げ2450億円(前期比5.9%減)、営業利益29億円(同35.9%減)、経常利益28億円(同36.0%減)、純利益21億円(同37.9%減)と減収減益転換を予想し、配当も、年間120円(前期実績150円)への減配を予定している。しかし1Qの高利益進捗率業績から上方修正期待は高く、前期は昨年10月、今年3月と2回も上方修正され、そのたびに増配も発表しており、この再現も観測されている。

■PER13倍台、PBR0.8倍、年間配当利回り2.9%と割り負け

 株価は、前期第3四半期の好決算で4140円の高値をつけコロナ・ショック安の波及で年初来安値2641円に突っ込み、前期業績の上方修正と増配を手掛かりに4080円まで買い戻された。その後の今期業績の減益転換・減配予想では、再び3290円まで調整したが、1Q好決算評価に拡充された株主優待の権利取りで上場来高値4400円へ上値を伸ばした。足元ではこの優待権利落ちとスピード調整で25日移動平均線で下値を確認しているが、PERは13倍台、PBRは0.87倍、年間配当利回り2.96%と割り負けている。最高値奪回から1株純資産4653円の早期達成も想定される。

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