日本エンタープライズは反発の動き、21年5月期増収増益予想

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 日本エンタープライズ<4829>(東1)は事業構造を再構築して、コンテンツサービス、ビジネスサポートサービス、ソリューションを強化している。21年5月期はキッティング支援が牽引して増収増益予想としている。社会のDX化の流れに対応した新たな事業展開も推進する方針だ。収益拡大を期待したい。株価は第1四半期の大幅減益を嫌気して急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■クリエーション事業とソリューション事業を展開

 事業構造を再構築して、クリエーション事業(エンターテインメントやライフスタイルのモバイルコンテンツを通信キャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、交通情報サービスなどを提供するビジネスサポートサービス、太陽光発電など)、およびソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、法人向け中古端末買取・販売サービスなど)を展開している。

 クリエーション事業のコンテンツサービスでは多彩なジャンルをカバーした総合電子書籍サービス、女性のための美と健康をサポートするアプリ、オールジャンルの商品を取り扱うフリーマーケットアプリ、ビジネスサポートサービスではキッティング作業支援のRPAツールKitting-One、交通情報サービスのATIS on Cloud、IP-PBXソフトウェアPrimus、テレワーク支援の電話会議システムT-Macss電話会議(20年4月開始)、Web会議システムNEEDS(20年7月開始)、飲食事業者向け鮮魚ECサイトのいなせり、および太陽光発電を強化している。

 20年8月には、キッティングツール開発・販売の子会社のプロモートが、多数の無線接続を効率良く行う「無線接続システムおよび無線接続プログラム」に関して特許を取得した。今後段階的にキッティングツールへの実装作業を行っていく予定としている。

 ソリューション事業のシステム開発・運用サービスでは、法人向けソリューションサービス、クラウド型高精度AI在庫管理システムSTOCK STREAMS、中古端末買取販売サービス、医療介護従事者向け搭載端末MCS Mobile、新型コロナウイルス感染症対策商材の次世代ガラスコートNEコートDXなどを強化している。

 20年7月には子会社の山口再エネ・ファクトリーの商号をスマート・コミュニティ・サポートに変更した。地方創生に向けたスマート・コミュニティ事業を本格的に推進する。

 また20年8月には、法人向けWeb・アプリ開発および業務支援サービスの子会社ダイブが、NTTドコモ<9437>の「dポイント(キャリアフリーポイントプログラム)」および「d払い(キャッシュレス決済)」の東海エリアでの販売活動に関する業務委託契約を締結した。

■21年5月期1Q大幅減益だが通期増収増益予想

 21年5月期の連結業績予想は、売上高が20年5月期比11.5%増の40億円で、営業利益が27.2%増の3億40百万円、経常利益が9.6%増の3億40百万円、純利益が13.3%増の2億円としている。配当予想は20年5月期と同額の2円(期末一括)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比7.5%増の9億36百万円だが、営業利益が50.9%減の40百万円、経常利益が54.7%減の42百万円、そして純利益が80.7%減の12百万円だった。

 クリエーション事業(10.9%減収)はコンテンツサービス、ビジネスサポートサービスとも減収だった。ソリューション事業(39.3%増収)はシステム開発・運用サービスが大幅伸長した。全体として増収だが、収益率の高いクリエーション事業が減収だったため、全体として原価率が上昇した。さらに前期発生した貸倒引当金戻入の剥落で販管費が増加したことも影響して大幅減益だった。

 通期はキッティング支援の好調が牽引して増収増益予想としている。コンテンツサービスは通信キャリア以外のプラットフォームへの展開、システム受託開発・業務支援サービスの拡大に加えて、社会のDX化の流れに対応した新たな事業展開も推進する方針だ。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は第1四半期の大幅減益を嫌気して急落したが、失望売りが一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。10月14日の終値は271円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円98銭で算出)は約54倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS125円00銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約109億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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