【編集長の視点】コーナン商事は連続最高純益を手掛かりにHC業界の最割安株買いが再燃し急反発

 コーナン商事<7516>(東1)は、前日21日に80円高の3670円と5営業日ぶりに急反発して引けた。同社株は、今年10月9日に今2021年第2四半期(2020年3月~8月期、2Q)累計業績と2月期通期業績を上方修正し配当も増配され、12日にその2Q累計業績を発表しており、投資採算的には、ホームセンター(HC)業界では最割安株と見直しバリュー株買いが再燃した。20日にニトリホールディングス<9843>(東1)が、DCMホールディングス<3050>(東1)により株式公開買い付け中の島忠<8184>(東1・監理)の買収(M&A)を検討していると観測報道されて大幅高し、HC業界の再編思惑が強まったことも、フォローの材料視されている。

■巣ごもり消費で連続増益を大幅に伸ばし配当も連続増配

 同社の今期業績の上方修正のうち、2月期通期業績は、期初予想より売り上げが246億円、営業利益が93億円、経常利益が93億円、純利益が58億円それぞれ引き上げられ、売り上げ4280億円(前期比14.2%増)、営業利益298億円(同48.6%増)、経常利益285億円(同50.6%増)、純利益178億円(同50.5%増)と連続増収増益率を大きく伸ばし、純利益は、前期の過去最高(118億3000万円)を大幅に連続更新する。配当も、年間58円(前期実績54円)へ連続増配を予定している。

 新型コロナウイルス感染症の拡大でマスク、除菌剤などの関連商材の販売増が続き、巣ごもり消費でDIY商品や園芸用品なども好調に推移していることが要因となる。10月9日の上方修正のあと12日に発表した今期2Q累計業績は、9日の上方修正値をやや上ぶれて着地しており、期末に向けて2月期通期業績の再上ぶれも想定させる。

 なおHC業界の再編に関しては、同社はすでに2019年4月にLIXILグループ<5938>(東1)のプロ顧客向け会員制建築資材卸売店舗を展開している建デポ(東京都千代田区)を子会社化し、同11月にはパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>(東1)のHC子会社ドイトの事業を継承し、事業基盤強化を図っており、業績押し上げ効果も発揮している。

■信用買い残はやや積み上がるがPERはわずか7倍で年初来高値奪回

 株価は、今期第1四半期業績の好決算評価にHC業界の再編思惑が加わって年初来高値4270円まで買い進まれ、その後の今期業績の上方修正ではやや積み上がった信用買い残も重荷になって材料出尽くし感を強め3500円台での下値もみ合いが続いていた。ただPERは7倍台ソコソコとHC業界で最割安となっており、下値は逆張り余地を示唆しており、信用買い残の動向をウオッチしつつ下値にチャレンジ、年初来高値4270円の復元もありそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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