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ディ・アイ・システムは目先的な売り一巡、21年9月期収益回復期待
- 2020/10/28 08:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ディ・アイ・システム<4421>(JQ)は独立系の情報サービス企業である。大手SIerとの長期取引関係を構築し、システムインテグレーション事業を主力としている。20年9月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想としているが、21年9月期の収益回復を期待したい。株価は急騰・急落と荒い動きになったが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお11月13日に20年9月期決算発表を予定している。
■システムインテグレーション事業が主力
独立系の情報サービス企業である。システムインテグレーション事業(業務システムの設計・開発、ITインフラの設計・構築、および運用・保守)を主力として、教育サービス事業(新入社員・中堅技術者向けIT研修)も展開している。
19年9月期の売上構成比は、システムインテグレーション事業95%、教育サービス事業5%、売上総利益構成比はシステムインテグレーション事業93%、教育サービス事業7%だった。
システムインテグレーションの顧客別売上構成比は元請けが14%、一次・二次請けが86%だった。NTTコミュニケーションズなど大手SIerとの長期取引関係を事業基盤としている。
■先行投資を21年9月期から回収する戦略
中期経営計画では目標値として、22年9月期売上高57億19百万円、売上総利益11億83百万円、営業利益3億04百万円を掲げている。20年9月期に実施する成長投資を21年9月期から確実に回収する戦略だ。中小規模案件の元請け獲得を加速させるワンストップ体制の強化・拡大にも取り組む。
■20年9月期減益予想だが21年9月期収益回復期待
20年9月期の連結業績予想(8月14日に売上高、利益とも下方修正)、売上高が19年9月期比10.7%増の42億70百万円、営業利益が63.7%減の85百万円、経常利益が57.1%減の94百万円、純利益が61.0%減の60百万円としている。配当予想は19年9月期と同額の25円(期末一括)である。
第3四半期累計は売上高が前年同期比19.0%増の32億77百万円、営業利益が17.3%増の1億46百万円、経常利益が36.9%増の1億48百万円、純利益が44.8%増の96百万円だった。
第2四半期までの順調な推移で、第3四半期累計ベースは大幅増収増益だったが、第3四半期から新型コロナウイルス影響で、開発案件の先送りや、常駐案件における一部顧客先のプロジェクト撤退によるエンジニア稼働率低下などが生じた。このため通期予想を下方修正して減益予想とした。
ソフトウェア投資やオフィス新・増設など、中期成長に向けた先行投資で減益予想としていた従来予想に対して、新型コロナウイルスの影響で減益幅が拡大する見込みとなったが、21年9月期の収益回復を期待したい。
■株価は目先的な売り一巡
株価は官公庁デジタル化関連の思惑で急騰・急落と荒い動きになったが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。10月27日の終値は1734円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS39円73銭で算出)は約44倍、前期推定配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.4%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS568円70銭で算出)は約3.0倍、時価総額は約26億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)