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協立情報通信は下値切り上げ、21年2月期減収減益予想だが後半5Gサービス本格化期待
- 2020/10/29 08:20
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
協立情報通信<3670>(JQ)は、ソリューション事業とモバイル事業を展開し、中期成長に向けてサービスの高度化・多様化を推進している。21年2月期第2四半期累計は新型コロナウイルスの影響で大幅減収減益だった。通期も大幅減収減益予想だが、後半には5Gサービス本格化に伴って関連商材の拡販が期待される。株価は戻り高値圏から反落したが、一方では下値を順調に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■ソリューション事業とモバイル事業を展開
中堅・中小企業のICT(情報通信技術)化実現に向けたソリューション事業、およびドコモショップ運営のモバイル事業を展開している。20年2月期セグメント別売上高構成比はソリューション事業39%、モバイル事業61%、営業利益構成比はソリューション事業110%、モバイル事業▲10%だった。
ソリューション事業は、NEC<6701>、NTTドコモ<9437>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、日本マイクロソフト、サイボウズ<4776>の主要パートナー企業5社の製品・サービスを融合し、情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用の3分野を総合したワンストップソリューションの「経営情報ソリューションサービス」を提供している。
体感型フューチャーラボの協立情報コミュニティーにおいて、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。19年7月にはサイボウズ オフィシャル ゴールドパートナーに認定された。またOBCパートナーアワード 2018-2019 New Value Awardを受賞した。19年8月には商工中金とビジネスマッチング業務委託契約を締結した。
モバイル事業はNTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売(店舗事業)および法人向けモバイルソリューション(法人サービス事業)を展開している。
中期成長に向けた基本戦略として、協立情報コミュニティーの活性化、パートナー企業との共同展開の積極化、物販からソリューションへのシフトなど、サービスの高度化・多様化を推進している。
20年10月には多摩大学と、地域社会への貢献を目的とした包括連携に関する協定を締結した。
■21年2月期減収減益予想だが後半5Gサービス本格化期待
21年2月期の連結業績予想(7月10日に未定に修正、10月14日に再公表)は、売上高が20年2月期比15.8%減の47億円、営業利益が27.2%減の1億80百万円、経常利益が21.7%減の2億円、純利益が30.6%減の1億20百万円としている。配当は20年2月期と同額の55円(期末一括)である。20年2月期には創業55周年記念配当5円が含まれているため普通配当ベースでは増配の形となる。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.1%減の21億25百万円、営業利益が44.3%減の87百万円、経常利益が35.6%減の1億03百万円、純利益が50.5%減の54百万円だった。
新型コロナウイルスの影響で大幅減収減益だった。営業活動のテレワーク化やイベント制限に伴う派遣費用の減少などで販管費も減少(1億26百万円減少)したが、売上減少による売上総利益の減少(1億95百万円減少)をカバーできなかった。なお営業外収益では助成金収入11百万円、特別損失には店舗資産に係る減損損失23百万円を計上した。
ソリューション事業は16.0%減収で26.5%減益だった。新型コロナウイルスの影響で、テレワーク関連は増加したが小・中規模案件が多く、大型案件の商談が停滞して受注も減少した。モバイル事業は35.1%減収で9.8%減益だった。新型コロナウイルスによる営業・イベント制限で店舗来店客数減少し、携帯電話販売台数が減少した。ただし派遣費用減少で利益率は上昇した。
通期も新型コロナウイルスの影響で大幅減収減益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高45.2%、営業利益48.5%である。当面は新型コロナウイルスの影響が意識されるが、期後半には5Gサービス本格化に伴って関連商材の拡販が期待される。後半の回復を期待したい。
■株主優待制度は毎年2月末の株主対象
利益還元については、配当性向30~40%程度を目途に、業績に連動させて適正な配当を行うとともに、万一業績が悪化したとしても一定の水準を維持していきたいとしている。
株主優待制度は毎年2月末の株主を対象として、保有株式数に応じて島根県の特産品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は下値切り上げ
株価は戻り高値圏から反落したが、一方では下値を順調に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月28日の終値は1910円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS102円70銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1420円50銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約23億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)