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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ネットワークバリューコンポネンツは調整の最終局面、15年12月期の収益改善を評価して切り返し
- 2015/5/26 08:03
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネットワークバリューコンポネンツ<3394>(東マ)はネットワーク関連製品の輸入販売を展開している。株価は2月の年初来安値2930円に接近して調整の最終局面のようだ。15年12月期の収益改善を評価して切り返しのタイミングだろう。
情報通信ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業(ネットワークソリューション事業およびネットワークサービス事業)を展開している。
クラウド関連、モバイル関連、セキュリティ関連、サービス関連などを重点分野として海外の先端技術を開拓し、国内を代表するIT先進企業へ最適なソリューションとして提供する。企業内セキュリティ対策チームをバックアップするNVCプライベートSOC運用支援サービスも提供している。ライセンス収入や保守・運用収入などの売上構成比が高く、ストック型の収益構造であることも特徴だ。
15年1月にはユニファイド・セキュリティー・サービス部門を新設した。セキュリティ商材の販売・設計・ 構築・保守サービス・マネージドサービスなど、従来各部門で個別に行ってきた各種セキュリティサービスを統合し、より質の高いサービスの提供を目指す方針だ。
中期成長に向けて先端的ネットワーク関連商品の投入、パートナー企業との協業推進などで、プロジェクト単位での受注拡大を目指している。13年5月には新日鉄住金ソリューションズ<2327>と資本・業務提携した。
13年8月米ニクサン社のネットワーク監視ソリューション製品に関する販売代理店契約、13年10月カナダのノビフロー社が開発したオープンフロー関連製品の国内独占販売代理店契約を締結した。
14年1月モバイル用作業報告書自動作成アプリのG-Smart社(東京都)と販売代理店契約、14年9月米スレットストップ社のリアルタイムIPおよびドメインレピュテーションサービスに係る国内販売代理店契約を締結、15年2月ネットワークセキュリティ専業メーカーであるNSFOCUS社の日本法人NSFOCUSジャパンと国内販売代理店契約を締結した。
4月22日にはファイア・アイ社と、同社の標準型マルウェア防御システム製品についてゴールドパートナー契約を締結した。また5月20日には、標準型サイバー攻撃を強力にストップする米スレットストップ社のIPレピュテーションサービス「ThreatSTOP」を運用支援する「NVC ThreatSTOPサービス」の提供を開始すると発表した。
5月14日に発表した今期(15年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、売上高が前年同期比18.6%増の9億39百万円、営業利益が同12.4%増の48百万円、経常利益が同2.2%減の43百万円、純利益が同29.3%減の20百万円だった。
売上面では、ネットワークソリューション事業はセキュリティ関連や無線LAN関連、ネットワークサービス事業は保守やマネージドVPNなどの自社サービスが好調に推移して大幅増収だった。
利益面では、低採算大型案件による売上総利益率の低下、子会社イノコスの不振を、増収効果やのれん償却の減少で吸収して2桁営業増益だった。経常利益については支払手数料の増加で減益、純利益については繰延税金資産取崩の増加で減益だった。
通期の連結業績予想は前回予想(2月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比6.9%増の30億81百万円、営業利益が同6.1倍の1億76百万円、経常利益が同19.6倍の1億57百万円、そして純利益が同36.0%増の89百万円としている。配当予想は無配継続としている。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が30.5%、営業利益が27.3%、経常利益が27.4%、純利益が22.5%と順調な水準だ。先端的なネットワーク関連商品の投入、パートナーとの協業強化、自社サービスの強化に取り組み、セキュリティ、モバイル、クラウドの重点3分野での事業展開に注力するとしている。子会社イノコスの収益改善が課題だが、単体ベースの好調が牽引して大幅増収増益が期待される。
株価の動きを見ると、2月の戻り高値から反落し、上値を切り下げて調整局面が続いている。ただし2月の年初来安値2930円に接近して調整の最終局面のようだ。
5月25日の終値3025円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円06銭で算出)は31~32倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS218円52銭で算出)は14倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、52週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。15年12月期の収益改善を評価して切り返しのタイミングだろう。