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ゼリア新薬工業は21年3月期通期増収増益予想据え置き
- 2020/11/5 08:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
(決算速報)
ゼリア新薬工業<4559>(東1)は11月4日の取引時間終了後に21年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響などで減収減益だった。通期の増収増益予想を据え置いた。20年9月発売の鉄欠乏性貧血治療剤フェインジェクトも寄与する見込みだ。通期ベースで収益拡大を期待したい。なお自己株式取得期間を21年5月14日まで延長した。株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。通期予想据え置きも安心感につながりそうだ。
■21年3月期2Q累計減収減益だが通期増収増益予想を据え置き
21年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.6%減の268億09百万円、営業利益が20.2%減の13億88百万円、経常利益が32.6%減の10億97百万円、純利益が1.0%減の12億18百万円だった。
医療用医薬品事業(7.6%減収)は、潰瘍性大腸炎治療剤アサコールが協和キリンとの販売提携を終了して20年4月から単独販売となり増収だったが、海外で炎症性腸疾患(IBD)治療剤Entocortが苦戦した。コンシューマーヘルスケア事業(15.9%減収)は、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響などで全体として苦戦した。なおスイスフラン高で営業外費用の為替差損が拡大し、特別利益には債務取崩益を計上した。
通期予想は据え置いて、売上高が20年3月期比0.9%増の610億円、営業利益が5.0%増の43億円、経常利益が0.5%増の39億円、純利益が12.8%増の33億円としている。
医療用医薬品事業では主力のアサコールなどが堅調に推移し、上期に苦戦したEntocortもカナダ向け出荷再開などで回復基調となっている。また20年9月発売の鉄欠乏性貧血治療剤フェインジェクトも寄与する見込みだ。コンシューマーヘルスケア事業も新製品投入で第3四半期以降の回復を見込んでいる。通期ベースで収益拡大を期待したい。
■株価は通期予想据え置きで安心感
株価は戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。通期の増収増益予想据え置きも安心感につながりそうだ。11月4日の終値は1888円、時価総額は約1003億円である。