【特集】再出番に期待!証券株と家電量販店株、ホームセンター株に注目
- 2020/11/16 08:56
- 特集
今週の特集では、巣ごもり投資家の市場進出で業績がV字回復した証券株と10万円の現金給付により高機能家電製品への買い替え需要を享受した家電量販店株、ホームセンター株に注目することとした。市場の主流銘柄から外れ地味な存在であることは否定できないが、セクター・ローテーションの有力な一角を占め、再出番となることを期待したい。
■現金給付10万円が大挙して市場進出して証券株の業績はV字回復
今年4月に巣ごもり投資家が、大挙して市場進出した恩恵を直接享受したのは証券株である。今3月期の第1四半期、第2四半期とも業績がV字回復し、赤字業績から大幅黒字転換した銘柄や大幅増益となった銘柄が続出した。第2四半期に純利益がV字回復した証券株は、極東証券<8706>(東1)の前年同期比7.6倍以下、丸三証券<8613>(東1)、今村証券<7175>(JQS)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東1)、丸八証券<8700>(JQS)松井証券<8628>(東1)、マネックスグループ<8698>(東1)、岩井コスモ証券<8707>(東1)、藍澤証券<8708>(東1)と続き、藍澤証券の増益率は70.4%となった。
また純利益が、前年同期の赤字から黒字転換したのは岡三証券グループ<8609>(東1)、東洋証券<8614>(東1)、水戸証券<8622>(東1)の3社を数え、中間配当を増配したのも野村ホールディングス<8604>(東1)、極東証券、丸三証券の3社となる。また証券会社ではないが、日本取引所グループ<8697>(東1)は、今3月期業績を上方修正し年間配当も増配した。ボラティリティは、この10月に年初来高値を更新した岩井コスモ証券、マネックスグループ、水戸証券、今村証券以外やや乏しいが、ほとんどがPBR1倍を大きく下回っており、値ごろ割り負け株買いが増勢となりそうだ。
■家電量販店、ホームセンター株は高性能家電製品買い替えで上方修正目白押し
家電量販店株やホームセンター株では、10万円の現金給付が高機能家電製品の買い替え需要を喚起したとして業績を上方修正した銘柄が少なくない。今年9月以降の上方修正銘柄を時系列で上げるとコジマ<7513>(東1)、ビックカメラ<3048>(東1)、ノジマ<7419>(東1)、ヤマダホールディングス<9831>(東1)、ケーズホールディングス<8282>(東1)、エディオン<2730>(東1)と続く。菅首相の「2050年カーボンニュートラル」の環境政策で2009年5月から実施された「家電エコポイント制度」などが再導入されれば大きな追い風になり、売り方と買い方の攻防が激化して前週末に年初来高値追いとなったコジマを牽引役になお上値チャレンジが期待される。
ホームセンター株は、防疫商品、日常品などの巣ごもり商品の販売拡大もオンして上方修正のオンパレードとなった。上方修正銘柄を同じく時系列で上げるとアークランドサカモト<9842>(東1)、ケーヨー<8168>(東1)、アレンザホールディングス<3546>(東1)、ジュンテンドー<9835>(東2)、カンセキ<9903>(JQS)、MrMaxHD<8203>(東1)、コーナン商事<7516>(東1)、コメリ<8218>(東1)、綿半ホールディングス<3199>(東1)、ナフコ<2790>(JQS)、バローホールディングス<9956>(東1)となる。アークランドサカモトのLIXILビバ買収、ニトリホールディングス<9843>(東1)の島忠<8184>(東1)への株式公開買い付けなど業界再編の真っ只中にいるだけに、PBR1倍割れとなっている大多数の銘柄に思惑が働く展開も想定される。