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- 【アナリスト水田雅展の銘柄分析】シンプロメンテの900円割れ水準は底値圏、16年2月期増収増益予想を評価して出直り
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】シンプロメンテの900円割れ水準は底値圏、16年2月期増収増益予想を評価して出直り
- 2015/5/27 07:45
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
シンプロメンテ<6086>(東マ)は店舗設備・機器メンテナンスサービスを展開している。株価は再び900円台を割り込んだが、2月の上場来安値836円に接近してほぼ底値圏のようだ。16年2月期の増収増益予想を評価して出直り展開だろう。
大手飲食・小売チェーンを主要顧客として、店舗における内外装および各種設備・機器(厨房機器、給排水・衛生設備、空調・給排気・ダクト設備、電機設備、照明機器、ガス設備、看板、自動ドア・ガラス・鍵・シャッターなど)の不具合を解決するメンテナンスサービスを提供している。
事業区分としては、ワンストップメンテナンスサービスとメンテナンスアウトソーシングサービスがある。
ワンストップメンテナンスサービスは、各種設備・機器の突発的なトラブル発生時に対応する緊急メンテナンスサービスを主力として、各種設備・機器の点検・整備・洗浄・清掃を定期的に行う予防メンテナンスサービスも提供している。
メンテナンスアウトソーシングサービスは、当社のメンテナンス体制を厨房機器メーカーにOEM的に提供することで、メーカーのメンテナンス業務のサポートを行っている。
全国の店舗から24時間365日、修理・メンテナンスの依頼を受け付け、依頼の種類・地域・内容などに応じて全国の協力業者(メンテキーパー)から適切な業者を選定・手配し、店舗の設備・機器等の不具合を解決することが特徴だ。
15年2月期末時点の顧客店舗数は外食業界、物販・小売業界、美容・介護業界など合計2万4997店舗(14年2月期末は2万8507店舗)、メンテキーパー数は厨房機器関連、給排水関連、空調・ダスト関連、電気関連、ガス設備関連など合計4742社(同4831社)である。
なお15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月~5月)9億80百万円、第2四半期(6月~8月)12億66百万円、第3四半期(9月~11月)10億77百万円、第4四半期(12月~2月)9億84百万円、営業利益は第1四半期12百万円、第2四半期59百万円、第3四半期14百万円、第4四半期19百万円だった。
15年2月期は大幅減益となり、ROEは14年2月期比8.1ポイント低下して8.7%だった。自己資本比率は同2.0ポイント上昇して52.2%となった。
今期(16年2月期)の非連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期比5.7%増の45億53百万円、営業利益が同51.8%増の1億58百万円、経常利益が同51.0%増の1億59百万円、純利益が同32.1%増の93百万円、そして配当予想が前期と同額の年間15円(期末一括)としている。
売上面では新規顧客獲得に向けた継続的な営業活動、修理・修繕と入替を組み合わせた提案営業などで増収を見込み、利益面では増収効果に加えて、メンテキーパーの再編・再整備による稼働率向上・クオリティ向上、継続的な人材教育強化による社員のスキル向上と業務効率向上、新システム導入による顧客・メンテキーパーとのやり取り効率化と社内業務効率化で増益見込みとしている。
前期(15年2月期)は一部アイテムでの原価上昇、新規顧客での早期シェア確保のための営業的な価格政策などで売上総利益率が低下し、将来の受注拡大を見据えた人員確保による販管費の増加などで大幅減益だったが、メンテキーパー網の再整備などで収益改善を進めている。メンテナンス業務のアウトソーシング化の流れも背景として、飲食店向けを中心に依頼件数は増加基調であり、業務効率改善も寄与して増収増益が期待される。
中期成長に向けた重点戦略としては、既存サービスの提供手法の多様化、他社との協業による新サービスの開発、メンテナンス研修を軸としたサポートメニューの強化も推進する。
ワンストップメンテナンスサービスでは、外食業界以外の物販・小売、理美容、教育、医療・介護、宿泊・娯楽などの業界にも新規顧客開拓を推進する。メンテナンスアウトソーシングサービスでは、サービスをOEM的に提供する企業の増加を目指すとともに、個人経営店舗向けの提供も視野に入れてシェア拡大を図る方針だ。
外食業界や小売業界などでは、店舗の老朽化や人手不足の深刻化、店舗の衛生環境改善や従業員の労働環境改善に対する意識の高まりも背景として、メンテナンス業務のアウトソーシング化が一段と進展することが予想される。新規サービス開発なども寄与して中期的に収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると、反発力が鈍く4月の戻り高値971円から反落し、再び900円台を割り込んで5月22日の871円まで調整した。ただし2月の上場来安値836円に接近して調整の最終局面だろう。
5月26日の終値884円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS54円06銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS481円22銭で算出)は1.8倍近辺である。
週足チャートで見ると、26週移動平均線が戻りを押さえる形となって再び13週移動平均線を割り込んだ。ただし2月の上場来安値836円に接近して900円割れ水準はほぼ底値圏のようだ。16年2月期の増収増益予想を評価して出直り展開だろう。