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ヒーハイストは調整一巡、21年3月期は新型コロナ影響だが後半需要回復期待
- 2020/11/25 08:45
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ヒーハイスト<6433>(JQ)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。直動機器を主力として、精密部品加工やユニット製品も展開している。21年3月期第2四半期累計は新型コロナウイルスの影響で需要が急減して大幅減収・赤字だった。通期も大幅減収・赤字予想としている。ただし下期は小幅ながら営業黒字見込みとしている。後半の需要回復を期待したい。株価は小動きでモミ合い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー
20年7月1日付で商号をヒーハイスト精工からヒーハイストに変更した。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。独自の球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。
主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。
20年3月期の製品別売上構成比は直動機器54%、精密部品加工35%、ユニット製品12%だった。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。
収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。
■21年3月期は新型コロナ影響だが後半需要回復期待
21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、8月11日に公表)は、売上高が20年3月期比20.8%減の18億37百万円で、営業利益が86百万円の赤字(20年3月期は21百万円の赤字)、経常利益が89百万円の赤字(同25百万円の赤字)、純利益が94百万円の赤字(同3億42百万円の赤字)としている。配当予想は未定としている。
第2四半期累計は売上高が前年同期比29.9%減の8億94百万円、営業利益が88百万円の赤字(前年同期は49百万円の黒字)、経常利益が87百万円の赤字(同45百万円の黒字)、純利益が61百万円の赤字(同31百万円の黒字)だった。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で需要が急減して大幅減収・赤字だった。
主力の直動機器は全般的な産業用機械の設備投資低迷で22.3%減収、精密部品加工は世界的なレーススケジュールの調整によるレース用部品の生産停止期間が発生して46.1%減収、ユニット製品は12.1%減収だった。なお四半期別の売上高を見ると第1四半期は4億73百万円、第2四半期は4億21百万円だった。
通期も大幅減収・赤字予想としている。ただし下期(売上高9億43百万円、営業利益2百万円の黒字の計画)は小幅ながら営業黒字見込みとしている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、後半の需要回復を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は小動きでモミ合い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。低PBRも評価材料だろう。11月24日の終値は224円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS480円62銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約14億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)