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ディ・アイ・システムは反発の動き、21年9月期大幅増収増益予想、21年1月1日付けで株式2分割
- 2020/11/29 11:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ディ・アイ・システム<4421>(JQ)は独立系の情報サービス企業である。大手SIerとの長期取引関係を構築し、システムインテグレーション事業を主力としている。20年9月期は2桁増収だが先行投資などで大幅減益だった。21年9月期は需要が堅調に推移して大幅増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。なお基準日20年12月31日(効力発生日21年1月1日)付で1株を2株に分割する。株価は急伸した10月の年初来高値圏から反落したが、株式分割を好感して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■システムインテグレーション事業が主力
独立系の情報サービス企業である。システムインテグレーション事業(業務システムの設計・開発、ITインフラの設計・構築、および運用・保守)を主力として、教育サービス事業(新入社員・中堅技術者向けIT研修)も展開している。
19年9月期の売上構成比は、システムインテグレーション事業94%、教育サービス事業6%、売上総利益構成比はシステムインテグレーション事業86%、教育サービス事業14%だった。NTTコミュニケーションズなど大手SIerとの長期取引関係を事業基盤としている。
■DX推進に向けて人材育成・サービス拡充
中期経営計画(21年9月期~23年9月期)では目標値として、23年9月期売上高65億10百万円、売上総利益12億46百万円、営業利益3億18百万円、経常利益3億16百万円、純利益2億13百万円を掲げている。
経営方針には、人材の確保・育成およびビジネスパートナー拡大、企業のデジタル化やリモート化などキーワードに応じたIT技術の提供、DX推進を背景とするサービス拡充に向けた研究・新製品開発、新基幹システム導入による内部管理体制強化、配当性向25%~30%目標とする株主還元を掲げている。
各セグメント戦略としては、システムインテグレーション事業では元請け案件獲得(元請け比率20%目標)に向けたワンストップ体制の強化、教育サービス事業ではリモート研修サービスの体制強化を推進する。
■21年9月期大幅増収増益予想
20年9月期連結業績は、売上高が19年9月期比11.1%増の42億83百万円、営業利益が54.9%減の1億06百万円、経常利益が50.0%減の1億09百万円、純利益が49.9%減の77百万円だった。
需要が堅調に推移して2桁増収(システムインテグレーション事業が10.8%増収、教育サービス事業が8.8%増収)だったが、事業所の新・増設や内部管理体制強化に伴うソフトウェア投資などの先行投資で大幅減益だった。新型コロナウイルスに伴う商談停滞も影響した。
21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比15.2%増の49億33百万円、営業利益が70.0%増の1億81百万円、経常利益が63.9%増の1億80百万円、純利益が55.6%増の1億21百万円としている。
需要が堅調に推移し、先行投資に係る一時的費用の一巡も寄与して、大幅増収増益予想としている。なおセグメント別計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.9%増の46億78百万円で営業利益が21.1%増の8億50百万円、教育サービス事業の売上高が5.8%増の2億54百万円で営業利益が34.8%減の75百万円としている。収益拡大を期待したい。
なお21年9月期の配当予想は21年1月1日付株式2分割後で12円50銭(期末一括)としている。株式2分割換算後で比較すると20年9月期と同額である。
■株価は株式分割を好感して反発の動き
株価(1株当たり数値は21年1月1日付株式2分割前)は、急伸した10月の年初来高値圏から反落したが、株式分割を好感して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。11月27日の終値は2258円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円49銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS597円51銭で算出)は約3.8倍、時価総額は約34億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)