【編集長の視点】ストリームは年初来高値を射程、10期ぶり最高純利益更新を見直し極低位割安株買いが増勢
- 2020/12/9 08:54
- 編集長の視点
ストリーム<3071>(東2)は、前日8日に14円高の206円と急続伸して引け、東証第2部の値上がり率ランキングの第8位に躍り出るとともに、12月2日につけた年初来高値244円を射程圏に捉えた。同社株は、今年12月1日に今2021年1月期予想業績を上方修正、純利益が10期ぶりに過去最高を更新するが、前日に今期第3四半期(2020年2月~10月期、3Q)決算の発表を予定していることから見直して極低位割安株買いが増勢となった。実際に大引け後に開示された今期3Q決算は、大幅続伸幅を拡大させた。また今年12月16日に高級家電の企画・販売、インターネット通販事業も展開する同社の類似企業のバルミューダ<6612>(東マ)が新規株式公開予定で、前日7日にこの公開価格が仮条件の上限で決定されたことも、比較感を高めて買い手掛かりとなっている。
■ネット通販事業の3Q営業利益は巣ごもり消費で5.8倍増
同社の今2021年1月期業績は、期初予想より売り上げが31億100万円、営業利益が4億8100万円、経常利益が4億9300万円、純利益が4億6200万円それぞれ引き上げられ、売り上げ275億3100万円(前期比76.0%増)、営業利益5億9700万円(同3.68倍)、経常利益5億7800万円(同4.04倍)、純利益4億8500万円(同6.83倍)と大幅続伸が予想され、純利益は、過去最高の3億230万円(2011年1月期)を10期ぶりに更新する。ビューティ&ヘルスケア事業では、インバウンド需要の伸び悩みで今期第2四半期累計の営業利益が、8500万円の赤字と悪化したものの、インターネッツ通販事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大による巣ごもり消費で大型冷蔵庫、洗濯機などの販売が好調に推移し、売り上げが前年同期比28.9%増、営業利益が同3.83倍増と大きく伸びたことなどが要因となった。
前日大引け後に発表された今期3Q業績は、前年同期比18.6%増収、5.84倍営業増益、6.54倍経常増益と大幅続伸し、純利益は3億7200万円(前年同期は1200万円の黒字)と高変化し、上方修正された1月通期業績対比の利益進捗率は76%~79%と目安の75%を上回った。インターネット通販事業の売り上げは24.7%増、営業利益は5.38倍とさらに伸ばした。
なおバルミューダは、1台2万3500円もするスチームトースターがヒットする高級家電の企画・販売のファブレスメーカーで、インターネット通販も展開するなどストリームと類似性がある。公開価格は、12月7日に1780円~1930円としていた仮条件の上限の1930円に決定し、知名度、話題性からも高い初値形成が観測されており、逆に低位値ごろ水準にあるストリームとの比較感が強く働き、ツレ高観測も強まっている。
■5.3倍の大化けの3分の1押し水準からPER11倍の割り負け訂正に再発進
株価は、コロナ・ショック安で突っ込んだ株式分割権利落ち後安値46円から今期第2四半期累計業績のV字回復で連続ストップ高し、さらに今期業績の上方修正でもストップ高して年初来高値244円まで5.3倍化の大化けを演じた。足元では、この大化けの3分の1押し水準で下値を確認して再動意となったが、PERは11倍台と割り負けている。極低位値ごろも株価材料にまず年初来高値を奪回し、2016年10月につけた株式分割権利落ち後高値315円を目指そう。