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トレジャー・ファクトリーは調整一巡、新型コロナ影響で21年2月期減益予想だが後半回復基調
- 2020/12/10 08:25
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。21年2月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想だが、第2四半期以降は回復基調である。11月の既存店売上高は前年比98.5%だった。気温が高く推移した影響で冬物衣料の販売が鈍った。ただし後半回復基調に変化はないだろう。株価は反発力が鈍くモミ合い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお1月13日に第3四半期決算発表を予定している。
■リユースショップを展開
総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。
20年3月末時点の店舗数は、グループ合計192店舗(タイの3店舗を含むトレジャー・ファクトリー65店舗、トレファクスタイル53店舗、トレファクスポーツ5店舗、ユーズレット7店舗、ブランドコレクト3店舗、トレファクマーケット1店舗、カインドオル41店舗、ゴルフキッズ17店舗)である。
■リユース事業の成長と周辺・新規事業への投資を推進
中期成長戦略として、リユース事業の成長(大都市圏中心に複数業態を組み合わせて年間10~20店舗の新規出店、採用・教育・在庫・物件開発など多店舗展開力の強化、リアル店舗とオンラインサービスの会員共通化をベースとしたリアル店舗・EC販売・宅配買取などの相互利用)、海外市場での成長(タイ3店舗の収益化、他国への展開)、リユース周辺事業・新規事業への投資(引越事業のトレファク引越、BtoBオークション事業のトレファク、ECドレスレンタル事業のCariru、不動産仲介事業のトレファク不動産)を推進している。
19年1月にはシステム開発のデジタルクエストを子会社化した。20年2月にはAIアプリのXZ(クローゼット)運営のSTANDING OVATIONと資本業務提携し、手持ちの服を簡単にリユースする仕組みを共同開発した。
20年10月には総合不動産会社のビーロットと業務提携、静岡県内でリユースショップ直営店12店舗を展開するピックアップジャパンを子会社化した。
■21年2月期は新型コロナ影響で減益予想だが後半回復基調
21年2月期の連結業績予想(期初時点では未定、10月13日に公表)は、売上高が20年2月期比4.3%減の183億08百万円、営業利益が88.2%減の1億11百万円、経常利益が84.0%減の1億59百万円、純利益が99.0%減の5百万円としている。配当予想は7円減配の10円(第2四半期末2円、期末8円)とした。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比7.6%減の83億77百万円、営業利益が2億63百万円の赤字(前年同期は3億79百万円の黒字)、経常利益が2億22百万円の赤字(同4億21百万円の黒字)、純利益が2億66百万円の赤字(同2億88百万円の黒字)だった。
新型コロナウイルスによる店舗臨時休業・営業時間短縮の影響で減収・赤字だったが、四半期別に見ると、緊急事態宣言発令で影響を大きく受けた第1四半期(売上高が前年同期比16.6%減の39億59百万円、営業利益が2億21百万円の赤字)に対して、第2四半期(売上高が2.3%増の44億17百万円、営業利益が41百万円の赤字)は回復基調となった。
なお第2四半期累計での既存店売上(単体ベース)は90.7%だった。4月には64.6%まで落ち込んだ。ただし7月には104.6%まで回復した。生活関連用品を中心に需要が増加した。また外出自粛時のショッピング需要に対応してEC販売を強化した。新規ジャンルでは、リユース事業者向けのオンラインオークションを開始し、酒類やスマホ・タブレットの取り扱いも強化した。
季節要因で利益の出やすい第1四半期に新型コロナウイルスの影響を大きく受けたため、通期も減収減益予想としたが、第2四半期は前年比でも増収に転じており、下期は営業黒字予想と回復基調である。EC販売の強化に加えて、第1四半期に抑制していた新規出店を第2四半期から再開している。後半回復基調に変化はなく、通期上振れ余地がありそうだ。
月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、20年11月は全店が102.8%、既存店が98.5%だった。気温が高く推移した影響で冬物衣料の販売が鈍ったが、家具、ホビー用品、スポーツ・アウトドア用品は好調に推移した。なお新規出店は7月1店舗、9月2店舗、10月2店舗、11月1店舗となっている。
■株主優待制度は2月末の株主対象
株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は調整一巡
株価は反発力が鈍くモミ合い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。12月9日の終値は677円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44銭で算出)は約1539倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS407円13銭で算出)は約1.7倍、時価総額は約79億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)