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ティムコは上値試す、アウトドア人気で収益拡大期待
- 2020/12/21 08:35
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。新型コロナウイルス対策で3密を避けるためアウトドア人気が高まっている。20年11月期は緊急事態宣言による店舗臨時休業の影響を受けたが、第2四半期をボトムとして売上回復基調だ。21年11月期の収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏だ。急伸した10月の年初来高値で上ヒゲを付ける形となったが着実に下値を切り上げている。低PBRも注目点であり、上値を試す展開を期待したい。なお1月19日に20年11月期決算発表を予定している。
■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。
19年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が28%、アウトドア事業が71%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。
基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。
19年4月にはスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となった。商品開発・販売などを共同展開する。
■アウトドア人気で21年11月期収益拡大期待
20年11月期の業績(非連結)予想は、売上高が19年11月期比14.0%減の25億14百万円、営業利益が1億62百万円の赤字(19年11月期は4百万円の赤字)、経常利益が1億57百万円の赤字(同1百万円の黒字)、純利益が1億98百万円の赤字(同13百万円の赤字)としている。配当予想は6円60銭減配の5円40銭(期末一括)である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比15.2%減の18億34百万円、営業利益が1億28百万円の赤字(前年同期は4百万円の赤字)、経常利益が1億23百万円の赤字(同0百万円の赤字)、純利益が1億64百万円の赤字(同16百万円の赤字)だった。
新型コロナウイルスによる店舗臨時休業・営業時間短縮の影響で大幅減収となり、各利益は赤字だった。なお特別利益には雇用調整助成金16百万円、特別損失には直営店舗臨時休業に係る損失39百万円を計上した。
第3四半期累計は減収・赤字だったが、四半期別に見ると第1四半期は売上高が6億22百万円で営業利益が51百万円の赤字、第2四半期は売上高が4億52百万円で営業利益が55百万円の赤字、第3四半期は売上高が7億60百万円で営業利益が22百万円の赤字となり、緊急事態宣言発令で大きな影響を受けた第2四半期をボトムとして回復基調である。
フィッシング事業は、第2四半期に店舗臨時休業やプロモーションイベント自粛の影響を受けたが、第3四半期には屋外におけるアクティビティ活発化の影響で売上高が56.0%増と急増し、第3四半期累計ベースでも売上高が3.8%増、営業利益が30.6%増となった。
アウトドア事業は第3四半期累計ベースで売上高が24.2%減、営業利益が68百万円の赤字(前年同期は80百万円の黒字)だった。第2四半期の売上が店舗臨時休業や外出自粛による登山客減少で大きく落ち込んだ影響(四半期別売上高は第1四半期4億50百万円、第2四半期2億円、第3四半期4億56百万円)を補うに至らなかった。ただし第3四半期の売上は前年比2.5%増と回復基調である。
20年11月期は緊急事態宣言による店舗臨時休業の影響を受けたが、第2四半期をボトムとして売上回復基調である。新型コロナウイルス対策で3密を避けるためアウトドア人気が高まっている。21年11月期の収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年11月末の株主対象
株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は上値試す
株価は戻り高値圏だ。急伸した10月の年初来高値で上ヒゲを付ける形となったが着実に下値を切り上げている。低PBRも注目点であり、上値を試す展開を期待したい。12月18日の終値787円、前期配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前々期実績PBR(前々期実績のBPS1928円86銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約26億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)