【アナリスト水田雅展の銘柄分析】リミックスポイントは16年3月期は大幅増収増益予想、収益改善基調を評価して上値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 リミックスポイント<3825>(東マ)は、電力売買事業や中古車売買事業が拡大して16年3月期は大幅増収増益予想だ。株価は5月18日に年初来高値1611円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、収益改善基調を評価する流れに変化はなく上値を試す展開だろう。

 エネルギー関連事業(エネルギー管理システム開発・販売、省エネルギー化支援コンサルティング、省エネルギー関連設備販売、電力売買)、および自動車関連事業(中古車査定システム開発・販売、中古車売買に関するコンサルティング、中古車売買)を展開している。

 エネルギー関連事業に関しては、13年12月に商業用施設のエネルギー消費量削減に貢献できるエネルギー管理システム「ENeSYS(エネシス)」を開発した。

 そして14年9月に特定電気事業者(PPS事業者)の日本ロジテック協同組合と省電力事業に関する業務提携契約を締結し、14年10月には発電事業者および電力卸売事業者から電力を調達して電力売買事業に参入した。当面は日本ロジテック協同組合に対して供給し、他のPPS事業者に対する供給も順次拡大を目指す方針だ。16年の電力小売完全自由化によって国内16兆円程度の電力小売市場が発生すると予想されているため事業拡大が期待される。

 なお15年2月には、日本ロジテック協同組合の関係会社であるJLエナジー(JLE)社とエネルギー管理システム開発受託契約を締結した。日本ロジテック協同組合は組合員のための業務用・産業用電力の共同購買を行い、JLE社は電力小売事業を展開している。

 自動車関連事業は14年12月に「IES中古車買い取りサービス」を開始した。07年販売開始した当社の中古車査定システム「IES」導入企業などのネットワークを活用して事業拡大を推進する方針だ。

 5月18日に発表した前期(15年3月期)の非連結業績(2月12日に売上高と利益を増額修正)は、売上高が39億48百万円(前々期は1億31百万円)、営業利益が2億11百万円(同1億37百万円の赤字)、経常利益が2億03百万円(同1億55百万円の赤字)、そして純利益が2億27百万円(同1億50百万円の赤字)だった。

 配当予想(3月16日に復配を発表)は年間3円(期末一括)とした。配当性向は8.9%となる。ROEは42.9%、自己資本比率は24.7ポイント上昇して82.3%となった。なお第3四半期累計(4月~12月)時点で継続企業の前提に関する疑義注記の記載を解消している。

 セグメント別の動向を見ると、エネルギー関連事業は売上高が31億74百万円、営業利益(全社費用等調整前)が3億円だった。経済産業省が推進する「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」に係るエネマネ事業者に採択され、省エネルギー化支援コンサルティングおよび省エネルギー関連設備の販売が拡大した。エネルギー管理システム「ENeSYS」の販売が実現し、新規事業の電力売買事業も寄与した。

 自動車関連事業は売上高が7億73百万円、営業利益が32百万円だった。中古車査定システム「IES」が大口取引先に新規採用された。そして新規事業の中古車売買事業も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)97百万円、第2四半期(7月~9月)1億67百万円、第3四半期(10月~12月)11億05百万円、第4四半期(1月~3月)25億79百万円、営業利益は第1四半期18百万円の赤字、第2四半期14百万円、第3四半期27百万円、第4四半期1億88百万円だった。新規事業推進による売上高の回復とともに、営業損益は改善基調となった。

 今期(16年3月期)の非連結業績予想(5月18日公表)は、売上高が前期比2.5倍の100億46百万円、営業利益が同97.1%増の4億16百万円、経常利益が同2.0倍の4億13百万円、純利益が同60.9%増の3億65百万円、配当予想が前期と同額の年間3円(期末一括)としている。

 新規事業のPPS事業者向け電力売買事業や自動車関連事業者向け中古車売買事業の収益寄与が本格化して大幅増収増益予想だ。セグメント別売上高の計画は、エネルギー関連事業が同2.3倍の72億63百万円、自動車関連事業が同3.6倍の27億83百万円としている。増収効果で営業損益の一段の改善が期待される。

 14年9月発行の第三者割当による第6回新株予約権の行使は15年2月に完了している。また15年3月に東日本銀行から50百万円の借り入れ、15年4月に城北信用金庫との2億円の当座貸越契約締結を発表した。電力売買事業および中古車売買事業において想定以上の需要を受けているため、電力および中古車の仕入資金に充当する。

 なお5月26日に監査等委員会設置会社への移行と代表者の異動(追加)を発表した。経営の公正性・透明性を確保し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることを目的として監査等委員会設置会社に移行するとともに、新たに外部より複数名の役員を招聘して代表取締役を1名増員する。そして6月26日開催予定の第12期定時株主総会ならびに、その後の取締役会を経て代表取締役会長に國重惇史氏が就任する。

 株価の動きを見ると、収益改善基調を評価する形で水準を切り上げて、5月18日の年初来高値1611円まで上伸した。その後は利益確定売りで上げ一服の形だが、28日は1554円まで上伸して高値に接近している。自律調整が一巡したようだ。収益改善基調を評価する流れに変化はないだろう。

 5月28日の終値1532円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS48円59銭で算出)は31~32倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は0.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS116円63銭で算出)は13倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。収益改善基調を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開だろう。

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