ディ・アイ・システムは上値試す、21年9月期大幅増収増益予想、21年1月1日付けで株式2分割

 ディ・アイ・システム<4421>(JQ)は独立系の情報サービス企業である。大手SIerとの長期取引関係を構築し、システムインテグレーション事業を主力としている。21年9月期は需要が堅調に推移して大幅増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。なお基準日20年12月31日(効力発生日21年1月1日)付で1株を2株に分割する。株価は戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■システムインテグレーション事業が主力

 独立系の情報サービス企業である。システムインテグレーション事業(業務システムの設計・開発、ITインフラの設計・構築、および運用・保守)を主力として、教育サービス事業(新入社員・中堅技術者向けIT研修)も展開している。

 20年9月期の売上構成比は、システムインテグレーション事業94%(業務用アプリケーション設計開発業務43%、インフラシステム設計構築業務31%、運用・保守21%)、および教育サービス事業6%だった。売上総利益構成比は、システムインテグレーション事業86%、および教育サービス事業14%だった。

 元請け比率は16.3%だった。NTTコミュニケーションズなど大手SIerとの長期取引関係を事業基盤としている。またシステムインテグレーション事業では、顧客の検収が多い第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の売上と利益の構成比が高くなる傾向がある。

■DX推進に向けて人材育成・サービス拡充

 中期経営計画(21年9月期~23年9月期)では目標値として、23年9月期売上高65億10百万円、売上総利益12億46百万円、営業利益3億18百万円、経常利益3億16百万円、純利益2億13百万円を掲げている。

 経営方針には、人材の確保・育成およびビジネスパートナー拡大、企業のデジタル化やリモート化などキーワードに応じたIT技術の提供、DX推進を背景とするサービス拡充に向けた研究・新製品開発、新基幹システム導入による内部管理体制強化、配当性向25%~30%目標とする株主還元を掲げている。

 各セグメント戦略としては、システムインテグレーション事業では元請け案件獲得(元請け比率20%目標)に向けたワンストップ体制の強化、教育サービス事業ではリモート研修サービスの体制強化を推進する。

■21年9月期大幅増収増益予想

 21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比15.2%増の49億33百万円、営業利益が70.0%増の1億81百万円、経常利益が63.9%増の1億80百万円、純利益が55.6%増の1億21百万円としている。配当予想(21年1月1日付株式2分割後)は12円50銭(期末一括)としている。株式2分割換算後で比較すると20年9月期と同額である。

 セグメント別の計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.9%増の46億78百万円で総利益が21.1%増の8億50百万円、教育サービス事業の売上高が20.0%増の2億54百万円で総利益が14.0%減の75百万円としている。

 需要が堅調に推移し、先行投資に係る一時的費用の一巡も寄与して、大幅増収増益予想としている。リモートワーク案件やGIGAスクール案件の引き合いが増加しているようだ。DX推進サービスの提供を拡充する方針としている。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価(1株当たり数値は21年1月1日付株式2分割前)は戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月23日の終値は2215円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円49銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS597円51銭で算出)は約3.7倍、時価総額は約34億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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