加賀電子が中国でEMS事業を強化、湖北省で新工場が本格稼働を開始

■車載関連向けの生産能力を増強、成長戦略を加速

加賀電子<8154>(東1)は、12月に入り、中国内陸部におけるEMS(電⼦機器の受託製造サービス)事業の⽣産能⼒増強のため、湖北省孝感市に建設していた新⼯場の本格稼働を開始した。

■ここ車載分野の回復がめざましく8⽉から部分操業

 ここへきて車載機器分野などの需要回復がめざましいため、8⽉から部分操業を開始していた。中国ローカル企業からの新規受注獲得も視野に、操業開始後5年内に売上⾼100億円を⽬指す(2021年3月期の予想連結売上高は4100億円)。

■同社のEMSは多品種などの柔軟対応が特色で10ヵ国22ヵ所に拠点

 新工場の延床⾯積は約8000平方メートル、投資額は約3億円。同社では、2014年から同省襄陽市にて⾞載関連向けに⽣産を⾏っているが、顧客先の需要が旺盛なことから、孝感市に新⼯場を建設していた。

 同社のEMS事業は、「月3000モデル、100枚単位の多品種・小ロットの基板」、といった発注にも応じられる小回りの利く対応が特色。この第2四半期の3ヵ月間は、車載関連分野の回復に加え、電子医療機器分野が北米向けに拡大しているほか、新型コロナの流行に関連してか、空調機器分野も伸びているという。

 近年は、国内外で増加する顧客からの要望に対応して⽣産拠点の拡充を進めてきた。これまで中国、アセアン地域を中⼼に展開してきた拠点網に、ここ数年は⼯場建設や企業買収に精⼒的に取り組み、現在では10ヵ国/22ヵ所に直営のEMS⼯場を構えている。

 同社では、EMS事業を成⻑ドライバーと位置付けており、競争⼒強化をテコに、中期経営計画では連結売上⾼5000億円級の「我が国業界No.1」の企業グループ形成をめざしている。さらには兆円級の海外競合企業と伍して戦える「グローバル競争に勝ち残る企業」となることを⽬指し、グループ経営の規模拡⼤び質的向上に取り組んでいる。

 12月25日の株価は、後場に入って一段と強含み、2388円(51円高)まで上げて7ヵ月ぶりの4000円台に迫っている。(HC)

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