【どう見るこの相場】新年相場は表シナリオも表銘柄も裏シナリオも裏銘柄もいずれもチャンス

どう見るこの相場

 2021年相場のベーステーマは、地球環境や人類社会に累積している債務超過をどう解消するか、解消できないまでも解消の道筋をどうつけられるかだろう。人類の現在の立ち位置が、産業革命以来の環境破壊によって「パンドラの函」を開けてしまって、異常気象と未曽有な自然災害、未知のウイルスによるパンデミック(世界的な大流行)の頻発に責めさいなまされ、さらにグローバリゼーションと強欲資本主義の行きつくところで後戻りのできない分断と格差を生み続け、債務超過がますます重く圧し掛かるからだ。世界終末時計が、残り時間の少ないことを示す「板子一枚下は地獄」のなかで、人類の英知や覚悟が試されることになる。

とまあ新春相場の大発会に当たり、それらしく大上段に振りかぶってみたが、このベーステーマからは、新年相場は、表シナリオも裏シナリオも、表銘柄も裏銘柄もいずれもチャンスが訪れてくれるかもしれない。表シナリオは、もちろんデジタルトランスフォーメーション(DX)革命とグリーン成長戦略だろう。このシナリオ通りなら、投資家はすべてグロース株、バリュー株を問わず主力株買いを強めてそれこそ日経平均株価の3万円大々台回復も日程に上ってくる。

 裏シナリオは、新型コロナウイルス感染症の封じ込めに失敗し、政治不信を強めて内閣支持率がさらに急落するケースである。しかしこれも相場的には急落の懸念はそう大きくない見込みだ。中国・武漢市で新型コロナウイルス感染症の感染が確認された昨年2020年年初相場では、むしろ防疫関連の小型株が相次いで急騰しており、ワクチン接種の期待も加わりこの再現が有力となる。やや見通し難なのが内閣支持率の急落だが、これも政治銘柄思惑などが交錯、人心一新期待などがポジティブに作用する展開になるかもしれない。

【関連記事情報】
【特集】DX革命、グリーン戦略ではグロース株もバリュー株も推進力

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る