HENNGEは上値試す、21年9月期は先行投資だが中期成長期待
- 2021/1/4 08:21
- 株式投資ニュース
HENNGE<4475>(東マ)は、横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するHENNGE One事業を主力としている。21年9月期はマーケティングなど先行投資で大幅減益予想だが、中期成長を期待したい。株価は10月の上場来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。
■HENNGE One事業が主力
SaaS認証基盤(IDaaS)のHENNGE One事業を主力として、メール配信パッケージソフトウェアなどのプロフェッショナルサービス・その他事業も展開している。
HENNGE Oneは、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して、横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するIDaaSである。単一のIDとパスワードでログインを可能とするID統合機能、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、さらにメール情報漏洩対策機能などを一元的にクラウドサービスで提供している。20年9月末時点の契約社数は1667社、契約ユーザ数は194.8万人となった。
20年8月には全国の自治体向けの新サービスとして、地域住民とのスムーズな双方向コミュニケーションを実現する「CHROMO(クロモ)」を開始した。
■21年9月期は先行投資で大幅減益予想だが中期成長期待
21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比16.6%増の48億41百万円、営業利益が42.4%減の3億10百万円、経常利益が42.1%減の3億10百万円、純利益が45.6%減の1億93百万円としている。
売上面はHENNGE One事業が牽引して2桁増収だが、積極的なマーケティング投資(上期の大規模デジタルイベント開催に伴う広告宣伝費の増加、営業強化に向けた人員採用による人件費の増加)など、先行投資の影響で営業費用が増加するため大幅減益予想としている。
売上の内訳は、HENNGE One事業が契約企業数の増加やARPU(契約ユーザ当たり年額単価)の上昇で21.3%増収、プロフェッショナルサービス・その他事業が15.3%減収の計画としている。
成長戦略として、21年9月期はARR(年間経常収益=契約社数×契約企業当たり平均契約ユーザ数×ARPU)成長速度の変曲点を作り出し、22年9月期以降のARR年間20%以上の持続的成長を目指すとしている。中期成長を期待したい。
■株価は上値試す
株価は急伸した10月の上場来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。12月30日の終値は8320円、時価総額は約1332億円である。