【編集長の視点】アルプス物流は昨年来高値更新、業績上方修正を見直し3Q決算への期待拡大

 アルプス物流<9055>(東2)は、前日12日に99円高の979円と高値引けして3営業日続伸し、昨年12月17日にストップ高でつけた直近高値945円はもちろん、昨年2月5日につけた昨年来高値947円を更新した。昨年12月16日に発表した今2021年3月期の上方修正を見直し割安修正買いが増勢となった。上方修正要因が、電子部品物流事業での電子部品市況の回復や新規ビジネスの獲得と、消費物流事業での新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う宅配ビジネスの好調推移と複合していることも、今年1月28日に発表予定の今期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)業績への期待を高め先取り材料となっている。

■電子部品物流事業と消費物流事業がともに好調に推移

 同社の今2021年3月期業績は、昨年9月に今期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計業績を上方修正し、2Q累計業績がこの上方修正値を上ぶれて着地したあと、昨年12月には3月期通期業績を上方修正した。このうち3月期通期業績は、昨年6月に開示した予想値より売り上げを30億円、営業利益を5億5000万円、経常利益を6億円、純利益を5億円それぞれ引き上げ売り上げ960億円(前期比4.7%減)、営業利益37億5000万円(同8.9%減)、経常利益37億円(同4.7%減)、純利益21億円(同12.0%減)と連続減収減益率を縮小させる。売り上げの51%を占める電子部品物流事業で電子部品の市況が回復して貨物量が増加し、同じく29%を占める消費物流事業で巣ごもり関連の食品物流や宅配ビジネスが順調に推移したことなどが要因となった。

 消費物流事業は、昨年11月以来の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の第3波でさらに巣ごもり消費の拡大も予想されるところで、1月28日に発表予定の今期3Q業績が、上方修正された3月期通期予想業績にどの程度の進捗率を示すか注目されている。なお今期配当は、期初に未定としていたが、年間20円(前期実績20円)と前期の横並びを予定している。

■低PER・PBR修正で分割落ち後高値を上抜き落ち埋めを目指す

 株価は、前期業績の下方修正とコロナ・ショック安の波及で売られた年初来安値597円から巣ごもり関連株として売られ過ぎとして底上げ、今期2Q業績の上方修正で830円高値をつけるなど800円台を出没し、今期通期業績の上方修正でストップ高して945円高値をつけ高値もみ合いとなっていた。PERは16倍台、PBRは0.74倍と割安であり、昨年来高値を更新したここからは2018年1月につけた株式分割(基準日2016年3月31日、1株を2株に分割)の権利落ち後高値1003円を上抜き、分割落ちを埋め株式分割落ち前の2016年3月高値1282円が次の上値ターゲットとなる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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