イワキが社名を変更へ、持株会社への移行とともに「アステナホールディングス」に

■連結子会社岩城製薬はキノファーマに出資・提携し新薬も開発

 イワキ<8095>(東1)は1月13日の15時、持株会社への移行にともなう商号(社名)の変更、中核会社・岩城製薬による株式会社キノファーマへの出資と業務提携、2020年11月期の決算と配当予想の修正(増配)、新中期ビジョンの策定などを発表した(新中期ビジョンなどは別記事)。

【商号の変更】21年6月の持株会社体制への変更に際し、商号(社名)を「アステナホールディングス株式会社」(英文表記AstenaHoldingsCo.Ltd)に変更することなどを2月21日開催の定時株主総会に付議すると1月13日開催の取締役会で決議した。

【岩城製薬によるキノファーマへの出資と業務提携】
 連結子会社である岩城製薬は、医薬品開発などを行う株式会社キノファーマ(東京都中央区)が実施する第三者割当増資の引受けを行うとともに、疣贅(いぼ)を適応症とした製剤開発および原薬供給に関する業務提携を行うことした。

 キノファーマは、宿主因子をターゲットとしウイルスの増殖を抑制する新しいコンセプトの抗ウイルス薬開発に取組んでいる。リードプログラムは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を適応症としてフェーズ1/2にある。また、尋常性疣贅や尖圭コンジローマといった、HPV感染を起因とする各種疾患に対し治療薬を開発していることに加え、神経変性疾患への治療薬開発にも取り組んでいる。

■ジェネリック医薬品にとどまらず新薬開発にも携わり医療・医薬に貢献

 イワキグループの医薬事業及びファインケミカル事業では、人々の健康に貢献するとともに製薬業界に資するため、医薬品の研究開発から製造・販売に至るまでのバリューチェーンを広く手掛けている。特に医薬事業では、岩城製薬が外皮用剤の製剤開発や製造において内外の製薬企業と協働し、また製造販売では、主に皮膚科のジェネリック医薬品を中心とした品揃えで、皮膚疾患にお困りの患者様へソリューションを提供している。

 今後は、ジェネリック医薬品にとどまらず新薬開発にも携わり、医療・医薬の発展に寄与することが医薬事業ならびに同社グループの更なる発展、成長につながるものと考えている。

■20年11月期末配当は1株につき2円増配し同7円に

【11月期末配当の修正(増配)】
 2020年11月30日を基準日とする11月期末配当について、1株につき9円00銭の予定とし、前期実績の同7円、従来予想の総7円に対し同2円増配の予定とした。第2四半期末に同7円(1円増配)を実施済みのため、年間では同16円の予定になる(前期実績は同13円)。

 「純資産配当率(DOE)1.5%を下限とし、配当性向30%を目途」に配当額を決定するという安定的でありかつ業績連動性を持った配当政策を実施しており、業績が好調に推移したことを受けて増配に踏み切った。年間配当の1株16円はDOE2.5%、配当性向26.5%となる。(HC)

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