【編集長の視点】大和ハウスは3Q決算発表を先取り業績再上ぶれ期待を高め続伸

 大和ハウス工業<1925>(東1)は、前日14日に47円高の3152円と続伸して引けた。今週から2月期・3月期決算会社の今期第3四半期業績の発表がスタートするなか、同社が、今年2月9日に予定している今2021年3月期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)決算を先取り業績再上ぶれ期待を高めて買い増勢となった。同社は、昨年11月11日に今期業績の上方修正と増配を発表したが、同時に開示した今期2Q(2020年4月~9月期、2Q)累計業績そのものが、上方修正された3月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示しており、上方修正値そのものがなお保守的として買い手掛かりとなっている。

■2Q業績は上方修正の3月通期予想業績に対して高利益進捗

 同社の今期業績は、期初予想より売り上げを350億円、営業利益を880億円、経常利益を790億円、純利益を250億円それぞれ引き上げ、売り上げ4兆円(前期比8.7%減)、営業利益2580億円(同32.3%減)、経常利益2430億円(同33.9%減)、純利益1300億円(同44.4%減)と期初の減少減益転換率を縮小させる。4月~6月に一時閉鎖・時短営業をしたホテルや商業施設が、6月以降に徐々に再開され、営業活動もオンラインを活用するなど多様化、巣ごもり消費による需要が拡大している大型物流施設の開発やコロナ禍で企業のデジタル化の進展をサポートするデータセンターの開発も進め、既受注の請負工事の施工が順調に推移したことなどが要因となった。

 この今期通期予想業績に対して、同時発表された今期2Q累計業績は、売り上げ1兆9664億4800万円(前年同期比9.8%減)、営業利益1560億2400万円(同25.5%減)、経常利益1504億6600万円(同27.6%減)、純利益913億2900万円(同38.0%減)で着地し、通期予想業績に対する利益進捗率は、60%~70%と目安の50%を上回った。このため通期業績の再上ぶれ期待を高めているもので、市場コンセンサスでは純利益を1500億円としている。なお今期配当は、期初予想の年間90円を110円(前期実績115円)へ引き上げ、前期比減配幅の縮小を予定している。

■ミニGCで上昇トレンド転換を示唆し戻り高値抜けから昨年来高値へ

 株価は、コロナ・ショック安で突っ込んだ昨年3月の昨年来安値2230.5円から自己株式取得などで底上げし3000円を上値、2200円台を下値とするボックス相場が続き、昨年11月に今期業績の上方修正・増配発表でボックス上限を上抜き3552円の戻り高値まで買い進まれ、往って来いの3000円大台固めを続けてきた。PERは15倍台、年間配当利回りは3.48%と相対的に割り負けており、テクニカル的にも5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆している。昨年11月高値3552円奪回から昨年2月高値3647円へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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