Mipoxがストップ高、「パワー半導体の飛躍的な生産性向上を促す装置を開発」

■国内初、標準装備となる期待、などとしたため注目集中

 Mipox<5381>(JQS)は1月15日、急伸し、取引開始後にストップ高の473円(80円高)で売買されたまま買い気配で前引けとなった。

 14日付で、「国内初、パワー半導体の飛躍的な生産性向上を促す欠陥特定装置を開発」と発表、「パワー半導体製造の標準装備となることが期待される」などとしたため注目集中となった。

 発表によると、このほど、同社と東海国立大学機構名古屋大学との共同研究「半導体製造の生産性を向上させるキラー欠陥自動検査システムの開発」が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「官民による若手研究者発掘支援事業」に採択された。

 今回採択を受けた本共同研究では、半導体材料の品質を低下させる結晶欠陥(転位)を可視化する「複屈折イメージング」により転位の歪み分布(マッピング)をとらえる。そして、シミュレーションと機械学習を用いることにより、SiCを始めとする半導体基板中の転位の種類や位置を非破壊で自動的に検出するシステム、およびデバイスの歩留り低下をもたらすキラー欠陥を特定するシステムを開発。これらのシステムは、半導体基板やパワーデバイスの飛躍的な生産性向上に寄与し、将来的に日本のパワー半導体製造の標準装備となることが期待される。開発されたシステムは、昨年リリースした当社製品である結晶転位高速観察装置「XS-1 Sirius」に実装する予定で、今後も進捗に合わせて随時反映の予定、とした。

 パワーデバイスは、現在、「SiC(炭化ケイ素)」や「GaN(窒化ガリウム)」を始めとした次世代半導体材料の開発が世界中で進められているが、一部を除く半導体基板には未だ多くの転位(結晶欠陥)が含まれている。特に、デバイスの性能・信頼性を低下させる「キラー欠陥」によるデバイスの歩留り(投入した素材量に対する製品生産量)低下の課題は、「現在の半導体材料の主流であるSiの限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されているSiC」の価格を高止まりさせ、その普及を妨げているという。(HC)

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