ディ・アイ・システムは上値試す、21年9月期大幅増収増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ディ・アイ・システム<4421>(JQ)は独立系の情報サービス企業である。大手SIerとの長期取引関係を構築し、システムインテグレーション事業を主力としている。21年9月期は需要が堅調に推移して大幅増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。なお2月21日に21年9月期第1四半期決算発表を予定している。

■システムインテグレーション事業が主力

 独立系の情報サービス企業である。システムインテグレーション事業(業務システムの設計・開発、ITインフラの設計・構築、および運用・保守)を主力として、教育サービス事業(新入社員・中堅技術者向けIT研修)も展開している。

 20年9月期の売上構成比は、システムインテグレーション事業94%(業務用アプリケーション設計開発業務43%、インフラシステム設計構築業務31%、運用・保守21%)、および教育サービス事業6%だった。売上総利益構成比は、システムインテグレーション事業86%、および教育サービス事業14%だった。

 元請け比率は16.3%だった。NTTコミュニケーションズなど大手SIerとの長期取引関係を事業基盤としている。またシステムインテグレーション事業では、顧客の検収が多い第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の売上と利益の構成比が高くなる傾向がある。

■DX推進に向けて人材育成・サービス拡充

 中期経営計画(21年9月期~23年9月期)では目標値として、23年9月期売上高65億10百万円、売上総利益12億46百万円、営業利益3億18百万円、経常利益3億16百万円、純利益2億13百万円を掲げている。

 経営方針には、人材の確保・育成およびビジネスパートナー拡大、企業のデジタル化やリモート化などキーワードに応じたIT技術の提供、DX推進を背景とするサービス拡充に向けた研究・新製品開発、新基幹システム導入による内部管理体制強化、配当性向25%~30%目標とする株主還元を掲げている。

 各セグメント戦略としては、システムインテグレーション事業では元請け案件獲得(元請け比率20%目標)に向けたワンストップ体制の強化、教育サービス事業ではリモート研修サービスの体制強化を推進する。

■21年9月期大幅増収増益予想

 21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比15.2%増の49億33百万円、営業利益が70.0%増の1億81百万円、経常利益が63.9%増の1億80百万円、純利益が55.6%増の1億21百万円としている。配当予想(21年1月1日付株式2分割後)は12円50銭(期末一括)としている。株式2分割換算後で比較すると20年9月期と同額となる。

 セグメント別の計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.9%増の46億78百万円で総利益が21.1%増の8億50百万円、教育サービス事業の売上高が20.0%増の2億54百万円で総利益が14.0%減の75百万円としている。

 需要が堅調に推移し、先行投資に係る一時的費用の一巡も寄与して、大幅増収増益予想としている。リモートワーク案件やGIGAスクール案件の引き合いが増加しているようだ。DX推進サービスの提供を拡充する方針としている。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価(21年1月1日付で株式2分割)は戻り高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。1月25日の終値は1105円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円84銭で算出)は約36倍、今期予想配当利回り(会社予想の12円50銭で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS298円75銭で算出)は約3.7倍、時価総額は約34億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る