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夢真ホールディングスは戻り試す、21年9月期増収増益予想
- 2021/1/27 08:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は建設技術者派遣や製造・IT業界向けエンジニア派遣を展開している。21年9月期増収増益予想としている。需要が堅調に推移する見込みだ。在籍人数の増加、高稼働率の維持、派遣単価の上昇などで収益拡大基調だろう。株価は11月の戻り高値圏から反落して上値を切り下げたが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお2月5日に21年9月期第1四半期決算発表を予定している。
■建設技術者派遣を主力にエンジニア派遣も展開
19年10月純粋持株会社体制に移行した。建設技術者(建設現場の施工管理技術者)派遣を主力として、製造・IT業界向けエンジニア派遣、その他(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成等)も展開している。
20年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は建設技術者派遣および付随事業64.5%、エンジニア派遣および付随事業33.8%、その他1.7%、利益構成比は建設技術者派遣および付随事業94.1%、エンジニア派遣および付随事業9.3%、その他▲3.4%だった。期末の建設技術者数は5348人、エンジニア数は3579人だった。
建設業界では東日本大震災後に工事量が増加基調となり、技術者需要も増加しているが、就業人数減少や高齢化で需要増加に対応できない状況が続き、派遣に対する需要が高水準に推移している。こうした状況も背景として、未経験者を採用して育成する戦略で高成長している。
■中期成長に向けてM&Aも積極活用
成長に向けてM&A・アライアンスも積極活用している。19年4月ITエンジニア派遣のインフォーメーションポートを子会社化、社会人向けオンラインプログラミング学習サービスの侍を子会社化、19年6月子会社の夢テクノロジーがシステム開発のBlueMemeと業務提携、19年7月ITエンジニア派遣のガレネットを子会社化、20年4月システムエンジニアサービス事業のアローインフォーメーションを子会社化した。
中期経営計画(21年9月期~25年9月期)では、目標値に25年9月期売上収益1140億円、営業利益165億円、営業利益率14.5%、グループ合計期末技術者数1万8200人を掲げている。セグメント別計画は、建設技術者派遣および付随事業が売上収益565億円、利益91億円、技術者数8200人、エンジニア派遣および付随事業が売上収益555億円、利益90億円、技術者数1万人としている。
建設技術者派遣および付随事業では、建設技術者派遣業界における圧倒的NO.1企業を目指し、未経験者を含めて積極的な採用を継続するとともに、定着率改善の取り組みを推進して在籍人数を着実に増加させる。エンジニア派遣および付随事業では積極的な採用による在籍人数の増加に加えて、育成型エンジニア派遣NO.1企業を目指し、再研修プログラム制度の拡充などでスキルアップを図り、単価上昇と利益率改善を推進する。
■21年9月期増収増益予想
21年9月期の連結業績(IFRS)予想は、売上収益が20年9月期比4.0%増の610億円、営業利益が13.1%増の60億円、親会社所有者帰属当期利益が6.8%増の38億円としている。配当予想は20年9月期と同額の35円(第2四半期末15円、期末20円)である。
建設技術者派遣および付随事業、エンジニア派遣および付随事業とも需要が堅調に推移する見込みだ。積極的な採用と未経験者の育成による在籍人数の増加、高稼働率の維持、派遣単価の上昇などで収益拡大基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は11月の戻り高値圏から反落して上値を切り下げたが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。1月26日の終値は712円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円39銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約4.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS154円20銭で算出)は約4.6倍、時価総額は約561億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)