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ティムコは上値試す、アウトドア人気の高まりも背景として21年11月期収益改善期待
- 2021/1/28 08:33
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。20年11月期は新型コロナウイルスの影響で減収・赤字だった。ただし第2四半期をボトムとして売上回復基調となり、売上高、利益とも計画を上回った。21年11月期予想は新型コロナウイルス感染再拡大の影響が不透明なため未定としているが、アウトドア人気の高まりも背景として収益改善を期待したい。株価は10月の昨年来高値に接近している。低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。
20年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が33%、アウトドア事業が66%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。
基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。
19年4月にはスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となった。商品開発・販売などを共同展開する。
■アウトドア人気で21年11月期収益改善期待
20年11月期の業績(非連結)は、売上高が19年11月期比8.8%減の26億66百万円で、営業利益が1億34百万円の赤字(19年11月期は4百万円の赤字)、経常利益が1億27百万円の赤字(同1百万円の黒字)、純利益が2億28百万円の赤字(同13百万円の赤字)だった。配当は6円60銭減配の5円40銭(期末一括)とした。
新型コロナウイルスによる店舗臨時休業の影響を受けて大幅減収・赤字だった。ただし売上高、利益とも計画を上回った。
フィッシング事業は8.1%増収で50.0%増益だった。第2四半期(3月~5月)に新型コロナウイルスの影響を受けたが、6月以降は屋外におけるアクティビティの活発化などで事業環境が好転し、下期に前年同期比44.3%増収と急回復した。そして通期ベースでも収益が大幅改善した。
アウトドア事業は15.6%減収で赤字だった。下期に前年同期比3.8%増収と回復したが、新型コロナウイルスによる店舗臨時休業の影響を強く受けた第2四半期の落ち込みをカバーできなかった。
なお全社ベースの四半期別売上高を見ると、第1四半期6億22百万円、第2四半期4億52百万円、第3四半期7億60百万円、第4四半期8億32百万円だった。緊急事態宣言による店舗臨時休業の影響を強く受けた第2四半期をボトムとして、売上回復基調である。
21年11月期の業績(非連結)予想および配当予想は、新型コロナウイルス感染再拡大の影響が不透明なため未定としているが、3密を避けるためのアウトドア人気の高まりも背景として収益改善を期待したい。
■株主優待制度は毎年11月末の株主対象
株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は上値試す
株価は10月の昨年来高値に接近している。低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。1月27日の終値773円、前期実績PBR(前期実績のBPS1824円37銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約26億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)