京写は21年3月期3Q営業黒字化、受注回復基調で通期予想上方修正

(決算速報)
 京写<6837>(JQ)は1月29日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響で減収・赤字だった。ただし第2四半期後半から受注が回復基調となり、第3四半期は営業黒字化した。そして通期予想を上方修正し、従来予想に対して赤字幅が縮小する見込みとした。収益回復基調を期待したい。株価はモミ合いから上放れの動きを強めている。さらに上方修正を好感して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期3Q累計赤字だが、通期予想上方修正して赤字縮小見込み

 21年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.9%減の125億12百万円で、営業利益が72百万円の赤字(前年同期は68百万円の黒字)、経常利益が59百万円の赤字(同61百万円の黒字)、純利益が2億61百万円の赤字(同67百万円の黒字)だった。

 第2四半期後半から需要回復基調となったが、累計ベースでは新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、自動車関連、事務機関連、LED照明関連などの需要が大幅に減少した。なお中国の連結子会社(京写広州)に係る追加納税見込額1億70百万円を過年度法人税等として計上している。

 四半期別の営業利益は、第1四半期が1億08百万円の赤字、第2四半期が65百万円の赤字、第3四半期が1億01百万円の黒字だった。第2四半期後半から受注が回復基調となり、第3四半期は営業黒字化した。

 通期の連結業績予想は上方修正(従来予想に対して売上高を7億円、営業利益を2億円、経常利益を2億円、純利益を2億円、それぞれ上方修正)して、売上高が20年3月期比9.1%減の173億円、営業利益が70百万円の赤字(20年3月期は79百万円の黒字)、経常利益が10百万円の赤字(同98百万円の黒字)、純利益が3億60百万円の赤字(同1百万円の黒字)とした。

 従来予想に対して赤字幅が縮小する見込みとした。売上面では第2四半期後半からプリント配線板事業の受注が回復基調となり、利益面では業務効率化・経費削減効果に加えて、ベトナム子会社の生産開始準備費用が想定を下回ったことも寄与する。収益回復基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は12月下旬に急伸してモミ合いから上放れの動きを強めている。さらに上方修正を好感して戻りを試す展開を期待したい。1月29日の終値は299円、時価総額は約44億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る