【特集】「トリプル・ブルー」となった割安株、個人投資家の参戦余地は?

■業績上方修正に合わせて株式分割、増配、自己株式取得などがオン

特集 2月期・3月期決算会社の業績修正が始まった昨年12月から今年1月28日までにアサヒホールディングス<5857>(東1)と同様に「トリプル・ブルー」となった割安株は、残念ながら野村不動産ホールディングス<3231>(東1)にとどまる。同社株は、今年1月28日に今3月期業績を上方修正し前期の過去最高利益からの減益転換率を縮小させるとともに、自己株式取得と自己株式消却も同時発表した。株価は、6%超の急反発となり東証1部値上がり率ランキングの第9位に躍り出たが、PERはなお11倍台と評価不足である。個人投資家の参戦余地はなお残っていそうだ。

次に「ダブル・ブルー株」では、リクルートホールディングス<6098>(東1)株式の売却益で業績を上方修正し自己株式取得を推進中の凸版印刷<7911>(東1)のほかは、業績上方修正と増配が組み合わせの銘柄が大半となる。業績修正日順に列挙するとジェイ・エス・ビー<3480>(東1)、ロードスター・キャピタル<3482>(東マ)、日本コークス工業<3315>(東1)、ピックルスコーポレーション<2925>(東1)、前澤工業<6489>(東1)、タマホーム<1419>(東1)、カワチ薬品<2664>(東1)、横河ブリッジホールディングス<5911>(東1)、SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478>(JQS)、東洋建設<1890>(東1)、トーメンデバイス<2737>(東1)、ベルーナ<9997>(東1)、イエローハット<9882>(東1)、富士古河E&C<1775>(東2)、日本精線<5659>(東1)と続く。日精線の株価は、前週末29日に3%超急伸したがPERはまだ13倍評価にとどまり配当利回りも2.64%と買い余地を示唆している。

■29日上方修正組は夜放れならセカンダリー待ち

前週末29日に業績を上方修正し、週明けの2月1日にアサヒHDとともに株価トレンドが定まる「ダブル・ブルー株」も数多い。ハイマックス<4299>(東1)は、今3月期業績の2回目の上方修正と株式の無償割当(基準日3月1日、1株に0.2株を割り当て)を実施する特異な「ダブル・ブルー株」で、株主の利益還元策は、昨年9月の株式分割、同11月の自己株式立会外買付取引に次ぐものとなっている。

このほか29日大引け後に業績の上方修正と増配の発表をした「ダブル・ブルー株」を発表時間順に列挙すると山九<9065>(東1)、スクロール<8005>(東1)、トリニティ工業<6382>(東2)、リケンテクノス<4220>(東1)、大紀アルミニウム工業所<5702>(東1)、イマジニア<4644>(JQS)、ニチハ<7943>(東1)、四電工<1939>(東1)、タカラレーベン<8897>(東1)などとなる。この銘柄はことによると夜放れしていて週明けと同時に先着順とばかりに高寄りする可能性もあり、その場合は株価が落ち着くセナンダリーに対処する用心深さも必要になりそうだ。

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