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トシン・グループは煮詰まり感、21年5月期は後半挽回期待
- 2021/2/3 08:27
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トシン・グループ<2761>(JQ)は住宅に関する総合提案企業として、首都圏を中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開している。21年5月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減益予想としている。ただし第2四半期から緩やかに回復傾向である。後半の挽回を期待したい。株価は三角保ち合いの形だが煮詰まり感を強めている。上放れを期待したい。
■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開
06年11月持株会社体制に移行した。住宅に関する総合提案企業として、子会社のトシン電機、丸菱電機、ライト電機、あかり・ライフインテリアが、首都圏を中心に、電設資材や住宅設備機器(電線・配管機材、住宅内・外装建材、照明器具、エアコン、太陽光発電システム、TVドアホン、火災報知器など)の卸売事業を展開している。
仕入先は大手電機メーカーを中心に幅広く、販売先は工務店などである。営業拠点としては東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木にグループ合計110拠点を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴としている。
住環境に対するニーズが多様化する中で、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。
株主還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。
なお20年8月には、公益財団法人財務会計基準機構への加入状況、および加入に関する考え方等についてリリースした。直前事業年度末(20年5月20日)時点において財務会計基準機構に加入していないが、監査法人等との連携を密にするとともに、財務会計責任者および担当者の各種セミナーへの定期的な参加などで、会計基準の内容や変更等に関する情報を収集しつつ適切に対応するよう努めている。今後は、会計基準等の内容の適切な把握や会計基準等の変更等への的確な対応の必要性が高まっているとの認識のもと、財務会計基準機構への加入については、企業規模や費用対効果および状況の変化等を勘案しながら引き続き検討するとしている。
■21年5月期減益予想だが後半挽回期待
21年5月期(20日締め)の連結業績予想については、売上高が20年5月期比横ばいの428億60百万円、営業利益が9.8%減の17億30百万円、経常利益が9.0%減の25億97百万円、純利益が11.7%減の16億80百万円としている。配当予想は20年5月期と同額の56円(第2四半期末28円、期末28円)である。
基本戦略である小口多数販売を積極展開するが、新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を考慮して減益予想としている。住宅関連需要については新築・リフォームとも減少を見込み、コスト増加も影響する見込みとしている。
第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%減の200億37百万円、営業利益が41.0%減の7億30百万円、経常利益が37.8%減の10億72百万円、純利益が40.6%減の6億79百万円だった。
減収減益だった。売上面では、新型コロナウイルスによる経済収縮で建設・住宅市場が低迷するなど、事業環境悪化の影響を受けた。コスト面は、経費削減で販管費が減少したが、減収による売上総利益の減少をカバーできなかった。
ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高が93億79百万円、営業利益が2億42百万円、経常利益が3億86百万円だったが、第2四半期は売上高が106億58百万円、営業利益が4億88百万円、経常利益が6億86百万円だった。第2四半期から緩やかに回復傾向だ。
第2四半期累計の進捗率は売上高が46.7%、営業利益が42.2%、経常利益が41.3%である。進捗率はやや低水準の形だが、第2四半期から緩やかに回復傾向であり、後半の挽回を期待したい。
■株価は煮詰まり感
なお20年9月4日発表の自己株式取得(上限20万株・13億円、取得期間20年9月7日~21年7月31日)については、21年1月31日時点で累計取得株式数が1600株となっている。
株価は三角保ち合いの形だが、週足チャートで見ると13週線・26週線・52週線の収斂が接近して煮詰まり感を強めている。上放れを期待したい。2月2日の終値は6080円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS211円22銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想の56円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS4537円33銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約693億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)