【編集長の視点】MCJは3Q高利益進捗率業績を見直し割安株買いが再燃して急反発

 MCJ<6670>(東2)は、前日9日に40円高の1013円と5営業日ぶりに急反発して引け、東証第2部の値上がり率ランキングの第18位にランクインした。同社が、前週末5日に発表した今2021年3月期第3四半期(2020年4月~12月期)が、2ケタの増収増益で着地したものの、週明け8日は今期通期予想業績を昨年11月に開示した予想業績の据え置きとしたことが響いて目先の利益確定売りに押された。ただこの日は、3Q業績が通期予想業績対比で高利益進捗率を示したことを見直し割安修正買いが再燃した。テクニカル的にも、8日の急落で75日移動平均線を下抜いたことから売られ過ぎとのコンセンサスも形成され、大陽線を引いて75日線をクリアしている。

■テレワーク関連需要に「GIGAスクール構想」需要が上乗せ

 同社の今期3Q業績は、売り上げ1253億7300万円(前年同期比14.8%増)、営業利益119億5500万円(同22.6%増)、経常利益122億3500万円(同24.4%増)、純利益87億500万円(同)と続伸して着地し、レンジで予想している今3月期通期予想業績に対する利益進捗率は、82%~91%と目安の75%をオーバーした。国内パソコン市場は、緊急事態宣言下のテレワーク関連需要がなお続いているほか、児童生徒に一人1台の端末と教育現場に高速大容量のインターネット環境を一体的に整備する「GIGAスクール構想」関連の需要が上乗せとなったことが寄与した。

 今3月期通期業績は、昨年11月のレンジ予想に変更はなく売り上げ1634億円(前期比6.3%増)、営業利益145億円~150億円(同5.8%増~9.4%増)、経常利益147億円~152億円(同6.6%増~10.3%増)、純利益95億円~98億円(同26.2%増~30.2%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(75億2700万円)を連続大幅更新する。配当もレンジで予想し、年間28.99円~29.91円(前期実績23.5円)と連続増配を予定している。

■75日線割れで下値を確認しPERは10倍、配当利回りは2.9%

 株価は、コロナ・ショック安の波及で突っ込んだ昨年来安値486円から「Windows7」のサポート終了やテレワーク関連株人気で底上げし、前期業績の上ぶれ着地や今期第1四半期の好業績が続いて1078円まで買い進まれ、その後の調整安値857円からは、今期予想業績の開示をテコにマドを開けて急伸し25日移動平均線が75日移動平均線を上抜きゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化して昨年来高値1129円まで急伸した。ただ同高値後は、緊急事態宣言の再発出が材料出尽くし感を強めて調整局面となり、3Q決算発表とともに75日線を割り売られ過ぎを示唆した。PERは10倍台、配当利回りは2.86%~2.95%と割安であり、昨年来高値1129円奪回から2018年6月30日を基準日とした株式分割の権利落ち埋めを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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