松田産業は21年3月期3Q累計大幅増益、通期利益・配当予想を上方修正

(決算速報)
 松田産業<7456>(東1)は2月10日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。貴金属関連事業が牽引して大幅増益だった。そして通期利益・配当予想を上方修正した。さらに通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。株価は昨年来高値に接近している。上方修正を好感して上値を試す動きとなりそうだ。

■21年3月期利益予想を上方修正、さらに3回目の上振れの可能性

 21年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比8.9%増の1713億85百万円、営業利益が20.2%増の62億87百万円、経常利益が16.2%増の63億71百万円、四半期純利益が25.0%増の46億76百万円だった。貴金属関連事業が牽引して大幅増益だった。

 貴金属関連事業は18.1%増収で35.3%増益だった。金製品および銀製品の販売量増加に加えて、貴金属相場の上昇も寄与した。食品関連事業は4.7%減収で23.7%減益だった。新型コロナウイルスの影響で業務用水産品・畜産品の販売量が減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高535億40百万円で営業利益16億34百万円、第2四半期は売上高581億37百万円で営業利益20億35百万円、第3四半期は売上高597億08百万円で営業利益26億18百万円だった。前四半期比でも増収増益基調である。

 通期連結業績予想は利益を上方修正(11月11日に続いて2回目)して、売上高が20年3月期比4.3%増の2200億円、営業利益が17.0%増の73億円、経常利益が15.9%増の74億円、当期純利益が33.5%増の54億円とした。

 第3四半期累計が計画を上回ったことに加えて、第4四半期も貴金属関連事業の市場環境が改善する見込みとしている。修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が77.9%、営業利益が86.1%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 なお配当予想は期末2円上方修正して、20年3月期比4円増配の38円(第2四半期末18円、期末20円)とした。

■株価は上値試す

 株価は12月の昨年来高値に接近している。上方修正を好感して上値を試す動きとなりそうだ。2月10日の終値は1942円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS206円61銭で算出)は約9倍、時価総額は約561億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る