ケンコーマヨネーズは21年3月期3Q累計減収減益だが、3Q営業増益と急回復

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)は2月10日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響を受けた外食産業向けが落ち込んで減収減益だった。ただし第1四半期をボトムとして回復基調である。第3四半期は前年比営業増益と急回復した。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。株価は下値固め完了して反発の動きとなった。業績悪化を織り込み済みであり、第3四半期の回復を評価して出直りを期待したい。

■21年3月期3Q累計減収減益だが3Q営業増益に回復、通期上振れ余地

 21年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比9.0%減の521億33百万円、営業利益が35.4%減の15億42百万円、経常利益が34.8%減の16億17百万円、四半期純利益が34.0%減の11億29百万円だった。

 主力の調味料・加工食品事業(サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類)は13.7%減収で38.0%減益だった。新型コロナウイルスで事業環境が悪化した外食分野向けの売上が落ち込んだ。総菜関連事業等は12.6%増収で12.7%増益と伸長した。外出自粛に伴って量販店での需要が高まり、売上拡大に向けた子会社における設備投資の効果も寄与した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高157億19百万円で営業利益55百万円の赤字、第2四半期は売上高178億14百万円で営業利益5億85百万円、第3四半期は売上高186億22百万円で営業利益10億12百万円だった。第1四半期をボトムとして回復基調である。そして第3四半期は前年比営業増益と急回復した。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が20年3月期比8.7%減の680億円、営業利益が27.6%減の21億円、経常利益が32.1%減の20億40百万円、当期純利益が35.9%減の13億20百万円としている。

 緊急事態宣言再発出の影響を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高76.7%、営業利益73.4%と順調だった。第3四半期が前年比営業増益と急回復したことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は下値固め完了して反発の動き

 株価は下値固め完了して反発の動きとなった。業績悪化を織り込み済みであり、第3四半期の回復を評価して出直りを期待したい。2月10日の終値は1932円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円12銭で算出)は約24倍、時価総額は約318億円である。

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