【特集】親子上場問題・持ち合い解消を巡ってTOB、MBOがクローズアップ

銘柄 上がる 上昇 高い ストップ高

TOB、MBOは今年1月以来の発表を数えると15件に達する。TOBには、友好的・敵対的が交錯しており、すでに昨年に大戸屋ホールディングス<2705>(JQS)への敵対的TOBや、島忠を巡るニトリホールディングス<9843>(東1)などの三つ巴のTOBを体験したばかりであり、コーポレートガバナンス(経営統治)改革やコロナ禍を経て利潤証券としてよりも支配証券としての株券への認識がより先鋭化していることがダメ押しされていることを示している。今後も、MBO思惑が底流するソフトバンクグループ<9984>(東1)を始め、親子上場問題・持ち合い解消を巡ってTOB、MBOがクローズアップされる展開も想定され、先鋭ケースとして株価思惑が高まりそうで要マークとなる。

■株式分割・業績上方修正・増配のトリプル効果が継続

今年1月以来、業績上方修正と増配、株式分割を同時発表し、一段とトリプル効果が高まると想定されるのは、コード番号順に上げると植木組<1867>(東1)、物語コーポレーション<3097>(東1)、コーエーテクモホールディングス<3635>(東1)、リスクモンスター<3768>(東1)、コタ<4923>(東1)、アサヒホールディングス<5857>(東1)、エレコム<6750>(東1)、GSIクレオス<8101>(東)、日本瓦斯<8174>(東1)となる。

割り当ての基準日は、今年2月28日の物語コーポ以外は3月31日で、分割比率も、1対5の日本瓦斯以外は1対2となっている。このなかで業績上方修正と増配がともに期中に2回続いたのがアサヒHD、業績の2回上方修正が日本瓦斯、増配2回がリスクモモンスターとコーエーテクモ、PER6倍台~8倍台となっているのが植木組、アサヒHD、GSIクレオの3社などとなっており、いずれも株式分割の権利取り妙味を示唆している。

■敵対的TOB銘柄はなお攻防の思惑が続き仲介会社株にも波及

今年1月以来、TOB・MBOを発表した会社は、山陽百貨店<8257>(JQS)に対する山陽電気鉄道<9052>(東1)のTOBなどおよそ14件を数える。このうち当初のMBOが、MBO価格が不当に安いとして敵対的なTOBに変わった日本アジアグループ<3751>(東1)を除くと、MBOが7件で、残りの7件のうち友好的なTOBは2件、敵対的なTOBは現在も進行中である。日本製鉄<5401>(東1)による東京製綱<5981>(東1)へのTOB(TOB価格1500円)、フリージア・マクロス<6343>(東2)による日邦産業<9913>(JQS)へのTOB(同930円)、投資ファンドによるサンケン電気<6707>(東1)へのTOB(同5205円)である。サンケン電気を除いてTOB発表とともにストップ高するなど急騰しており、TOB価格にはなお上値余地があり、攻防継続も想定範囲内となる。

TOBや事業承継関連の仲介会社や信用情報会社も関連人気が波及しそうで、前述の株式分割予定のリスクモンスター、同じく今年3月31日基準日に1対2の株式分割を予定している日本M&Aセンター<2127>(東1)、さらにGCA<2174>(東1)、山田コンサルティンググループ<4792>(東1)、M&Aキャピタルパートナーズ<6080>(東1)、ストライク<6196>(東1)、証券大手の大和証券グループ本社<8601>(東1)、野村ホールディングス<8604>(東1)などもマークしたい。

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