【どう見るこの相場】ポスト決算プレーは株式分割株とTOB関連株に独自性を買い増す第二幕

どう見るこの相場

 きょうも天気だ株価が高い――――まことに喜ばしい限りの2週間だった。2月1日から3月期決算会社の第3四半期(3Q)業績の発表が本格化し、上方修正銘柄のオンパレードとなって決算プレーが続き業績相場が強まったためだ。日経平均株価は、あれよあれよという間に約2000円高と急伸し、30年半ぶりの高値水準に駆け上がった。「持つリスク」よりも「持たざるリスク」が意識されるほどで、赤字幅を悪化させた航空・鉄道株や素材産業株が、直近の四半期の赤字幅が縮小したとして大幅高するなどのケースまで飛び出した。

 この決算発表も、前週末12日にピークアウトした。折角盛り上がった業績相場であり、買い手掛かりが一巡してこの先行きが大いに気に掛かることになる。業績相場が、今週央に開始される新型コロナウイルス感染症ワクチンの先行接種を追い風に持続するのか、それとも決算プレーの行き過ぎへの反省と新規材料不足により伸びを欠き失速するのか、それとも好業績株を精査・選別する個別株物色に限定されるのかなどなど、いろいろな相場シナリオが想定される。

いずれの相場シナリオにしろ、業績上方修正で大幅高した銘柄や逆に織り込み済みとして逆行安した銘柄が、それぞれサバイバルを掛けて株価バトルを繰り広げることは間違いなさそうだ。そこで今週の当コラムでは、この2週間の決算発表期間に独自性や希少性を示した2セクター株に注目することとした。この2セクター株は、ポスト決算プレーでも、その独自性・希少性への認知度が高まり、株高展開が強まると想定されるからだ。

 2セクター株は、株式分割を発表した銘柄とTOB(株式公開買い付け)とMBO(現経営陣による株式公開買い付け)の関連株である。株式分割を発表し、今年2月末、3月末に権利付き最終日を迎える銘柄は、16銘柄を数えるが、このうち9銘柄が、株式分割とともに増配、業績の上方修正を同時開示した。ポスト決算プレーでは、この分割・配当の権利取りとともに、業績の再評価が進んで再浮上、第2幕目が開幕する可能性もありそうだ。

 一方、TOB、MBOも今年1月以来の発表を数えると15件に達する。TOBには、友好的・敵対的が交錯しており、すでに昨年に大戸屋ホールディングス<2705>(JQS)への敵対的TOBや、島忠を巡るニトリホールディングス<9843>(東1)などの三つ巴のTOBを体験したばかりであり、コーポレートガバナンス(経営統治)改革やコロナ禍を経て利潤証券としてよりも支配証券としての株券への認識がより先鋭化していることがダメ押しされていることを示している。今後も、MBO思惑が底流するソフトバンクグループ<9984>(東1)を始め、親子上場問題・持ち合い解消を巡ってTOB、MBOがクローズアップされる展開も想定され、先鋭ケースとして株価思惑が高まりそうで要マークとなる。

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