【注目銘柄】エンビプロは8期ぶりに最高純益更新の業績上方修正を見直して反発

注目銘柄

 エンビプロ・ホールディングス<5698>(東1)は、前日15日に3円高の787円と反発して引け、取引時間中には800円台にタッチし今年2月10日につけた直近高値825円を意識する動きを強めた。同社株は、今年2月8日に今2021年6月期第2四半期(2020年7月~12月期、2Q)累計決算の発表と同時に今6月期通期予想業績を上方修正し、純利益がV字回復し一気に8期ぶりに過去最高を更新することを見直し景気敏感関連の割安株買いが再燃した。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、フォローの材料視されている。

■鉄スクラップ価格が急上昇し国内外の鋼材需要も旺盛

 同社の業績は、資源循環事業での鋼材需要の増減と鉄スクラップ価格の動向に左右されており、前2020年6月期業績は、米中貿易摩擦の長期化による鋼材需要の減少と鉄スクラップ価格の低迷を主因に昨年6月に下方修正され連続の減収減益となった。今2021年6月期業績は、上期の取扱量が前年同期の8割程度、鉄スクラップ価格も2万円を想定し連続の減収減益予想としていた。このため今期第1四半期(2020年7月~9月期、1Q)業績、2Q累計業績とも連続の減収減益で着地した。

 ただ鉄スクラップ価格は、前期末の2万4500円が1Q末に2万7000円、2Q末に4万3000円に急上昇、平均価格も、1Qが2万3225円、2Qも2万8008円と上昇し2Qの前年同期の2万4302円を上回り、想定より早い内外の経済活動の再開で中国の鋼材需要も旺盛として今6月期通期業績を上方修正した。期初予想より売り上げを68億4000万円、営業利益を4億9000万円、経常利益を6億5000万円、純利益を4億6000万円それぞれ引き上げ、売り上げ357億円(前期比5.4%増)、営業利益10億円(同26.5%増)、経常利益12億5000万円(同33.7%増)、純利益8億7000万円(同44.5%増)と見込み、純利益は、2013年6月期の過去最高(8億6300万円)を更新する。

■ミニGC示現でPER13倍の割安修正に弾みをつけ1000円大台も

 株価は、コロナ・ショック安の波及でつけた昨年来安値419円から売られ過ぎとして705円まで大きく戻したが、前期業績の下方修正が響いて484円へ再調整し、500円台固めのなか鉄スクラップ価格の上昇とともに戻りを試し、今期業績の上方修正とともにストップ高して825円の戻り高値をつけた。この株価急伸で5日線と25日線が交差するミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆しており、PER13倍台の割安修正からも昨年1月の昨年来高値877円奪回から2019年2月高値925円を上抜き、2018年3月以来の1000円大台乗せを目指そう。

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