ケンコーマヨネーズは戻り試す、自己株式取得発表も好感

株式市場 銘柄

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品やサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、第3四半期は営業増益と急回復しており、通期予想に上振れ余地がありそうだ。なお2月19日には自己株式取得を発表している。これも好感して株価は反発の動きを強めている。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)の総菜関連事業等、その他(ショップ事業など)を展開している。ロングライフサラダは国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。

 20年3月期の商材別売上高構成比はサラダ類47%、タマゴ類27%、マヨネーズ・ドレッシング類24%、その他2%、分野別売上高構成比は外食28%、CVS27%、量販店25%、パン13%、給食4%、その他4%だった。

 サラダNO.1企業として、中期成長に向けて市場ニーズに応える商品開発、新カテゴリーへの取り組み、マヨネーズ・ドレッシング分野からタマゴ加工品やサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。ショップ事業の「Salad Cafe」は百貨店などに出店し、主に女性をターゲットにした顧客拡大戦略を推進している。

 収益面では、鶏卵や野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

■21年3月期3Qは営業増益と急回復、通期予想に上振れ余地

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定、8月11日に公表)は、売上高が20年3月期比8.7%減の680億円、営業利益が27.6%減の21億円、経常利益が32.1%減の20億40百万円、当期純利益が35.9%減の13億20百万円としている。配当予想(11月13日公表)は11円減配の20円(第2四半期末8円、期末12円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比9.0%減の521億55百万円、営業利益が35.4%減の15億42百万円、経常利益が34.8%減の16億17百万円、四半期純利益が34.0%減の11億29百万円だった。

 主力の調味料・加工食品事業(サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類)は13.7%減収で38.0%減益だった。新型コロナウイルスで事業環境悪化した外食分野向けの売上が落ち込んだ。総菜関連事業等は12.6%増収で12.7%増益と伸長した。外出自粛に伴って量販店での需要が高まり、売上拡大に向けた子会社における設備投資の効果も寄与した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高157億19百万円で営業利益55百万円の赤字、第2四半期は売上高178億14百万円で営業利益5億85百万円、第3四半期は売上高186億22百万円で営業利益10億12百万円だった。第1四半期をボトムとして回復基調である。そして第3四半期は営業増益(前年第3四半期の8億99百万円に対して12.6%増益)と急回復した。

 通期予想は緊急事態宣言再発出の影響も考慮して据え置いた。売上高の計画は、調味料・加工食品事業が12.5%減収(サラダ・総菜類が16.8%減収、タマゴ加工品が11.2%減収、マヨネーズ・ドレッシング類が8.9%減収)で、総菜関連事業等が9.4%増収、その他が37.3%減収としている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が76.7%、営業利益が73.4%と順調だった。売上回復基調であり、第3四半期が前年比営業増益と急回復したことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 2月19日に自己株式取得を発表した。上限20万株・4億円、取得期間21年2月22日~22年2月21日としている。

 株価は自己株式取得の発表も好感して反発の動きを強めている。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。2月22日の終値は2024円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS80円12銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想20円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2069円93銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約333億円である。

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