【編集長の視点】綿半HDは2期ぶりの最高純益更新を見直し売られ過ぎ修正で反発

綿半ホールディングス<3199>(東1)は、休日前の22日に4円高の1262円と4営業日ぶりに反発して引け、今年2月19日につけた株式分割権利落ち後安値1250円から底上げした。同社の株価は、今年1月29日に発表した今2021年3月期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)決算が、今期通期予想業績を上回る高利益進捗率となったが、その通期業績を昨年10月の再上方修正値の据え置きとしたことから材料出尽くし売りが増勢となってきた。ただ、足元の月次売上高が、気温低下による暖房用品の販売増などで好調に推移し、既存店舗のスーパーセンターへのリニューアルなどの積極的な店舗政策を続けており、業績予想据え置きそのものが保守的で売られ過ぎとして底値での打診買いが再燃した。

■3Q業績が高利益進捗し据え置きの通期業績の上ぶれ期待も

 同社の今期3Q業績は、売り上げ888億800万円(前年同期比1.3%減)、営業利益33億6900万円(同68.6%増)、経常利益35億5000万円(同19.1%増)、純利益21億円(同23.2%増)で着地し、利益は、今期1年分の通期予想業績をすでに9カ月実績で3700万円~2億6900万円も上回った。建設事業は、コロナ禍の影響で営業活動が制限され受注が伸び悩み、小売事業でも店舗の営業時間短縮、チラシの配布自粛などがあったが、巣ごもり需要で食品やDIY用品がこれを上回って好調に推移したことなどが寄与した。

 今3月期通期業績は、昨年10月の再上方修正値を据え置き売り上げ1150億円(前期比4.3%減)、営業利益31億円(同17.6%増)、経常利益33億5000万円(同19.1%増)、純利益21億円(同38.2%増)と見込み、経常利益は、6期連続の過去最高更新となり、純利益は、過去最高の16億1200万円(2019年3月期)を2期ぶりに更新する。配当は、年間18円と株式分割(基準日・昨年9月30日、1株を2株に分割)を勘案して実質2円の連続増配を予定している。なお通期予想業績の据え置きは、今年3月末に富士河口湖店を生鮮食品導入のス-パーセンターへリニューアルオープンする改装投資などを控え慎重にみているためだが、今年2月10日に発表した今年1月の月次売上高が、既存店で4.2%増、全店で3.0%増と4カ月連続で前年同月を上回っており、上ぶれ着地も期待されている。

■PERは11倍、25日線から6%超も下方かい離し底値から再ダッシュ

 株価は、株式分割の権利落ち高値1660円から25日移動平均線を出没する200円幅のボックス相場を続け、今期3Q決算発表とともにこのボックス下限を割り分割権利落ち後安値1250円と売られた。業績実態的にもPERは11倍台、テクニカル的にも25日線から6%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆している。またヒストリカル的にも同社株は、2014年の新規株式公開(IPO)以来、2月相場では期末の配当権利取りで高株価を示現した実績があり、とくに2018年には創業420周年の記念増配の発表で上場来高値4875円へ急伸しており、このダッシュ力の再現期待も強め、底値買いから今年1月高値1445円を奪回し、分割権利落ち後高値1660円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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