【特集】ビジネスチャンスが期待される「都市鉱山」株に注目

銘柄 上がる 上昇 高い ストップ高

特集 今週の当特集では、今年2月24日付け1面の日本経済新聞のトップ記事に関連する銘柄に注目することとした。同記事のヘッドラインに『米、同盟国と供給網整備 半導体やEV電池 中国に対抗』とあった。中国への依存度の高い半導体、EV(電気自動車)電池、レアアースなどの重要部材のサプライチェーンを米国、日本、オーストラリア、韓国、台湾などの同盟国内で再構築する大統領令に署名し、中国を封じ込めようという隔離政策である。この地政学的な大統領令は、企業経営にとってリスクになる側面もチャンスを高める側面もあるはずだ。そこでビジネスチャンスが期待される「都市鉱山」株に注目することとした。

都市ゴミとして大量廃棄される金属スクラップや家電製品は、これまで環境衛生上の厄介者であった。ところがこの都市ゴミには豊富な貴金属、レアメタルなどが蓄積されており、これをリサイクル、回収すればまさに「都市鉱山」の開発となるもので、「資源小国」の日本が「資源大国」になるポテンシャルを秘めていることになり、2013年4月には小型家電リサイクル法も施行されている。折からの決算発表では、この「都市鉱山株」は業績の上方修正、増配、株式分割などに踏み切った銘柄も多く、別ライン評価が高まる展開も想定される。

■中国封じ込めの米大統領令署名で「資源大国」へのビジネスチャンス

「都市鉱山」株で、レアメタルのリチウムなどのリサイクルで先行実績があるのが、DOWAホールディングス<5714>(東1)とアサカ理研<5724>(JQS)で、DOWAHDは銅先物価格の急上昇で、アサカ理研は今9月期業績の上方修正でそれぞれ今年2月に昨年来高値まで買われている。貴金属の金のリサイクルでは、中外鉱業<1491>(東1)、アサヒホールディングス<5857>(東1)、松田産業<7456>(東1)がメーンプレーヤーとなるが、このうちアサヒHDと松田産業は、今3月期業績を2回も上方修正し増配も予定しており、前週末26日の東証第1部値下がり率ランキングの第7位と急落したアサヒHDは、今年3月31日を基準日とする株式分割(1株を2株に分割)の権利取りの突っ込み買いも一考余地がある。

景気回復による受託処理量の増加と鉄スクラップ価格の上昇で業績を上方修正したのは、エンビプロ・ホールディングス<5698>(東1)、イボキン<5699>(東1)で、ミダック<6564>(東1)も、産業廃棄物の一貫処理で上方修正、このうちエンビプロHDは今6月期配当を増配予定にある。タケエイ<2151>(東1)も、今3月期業績を上方修正したほか、積極的なM&Aにより祖業の建設廃棄物処理からリサイクル事業の多角展開を進めている。

■相次ぐ業績上方修正、増配、自己株式取得などもサポート効果

ベステラ<1433>(東1)は、処分場増設に向け資金調達を実施したほかリバーホールディングス<5690>(東2)と連携を強め、そのリバーHDは、今6月期業績を上方修正し増配も予定している。また黒谷<3168>(東1)は、銅先物価格の上昇で今8月期第1四半期業績が、V字回復し、半導体向けシリコンリサイクルを展開するアミタホールディングス<2195>(JQS)は、今12月期業績を減益転換と予想としたが、前期業績は当初予想を上ぶれ大幅続伸した。

このほかペットボトルのリサイクル事業でM&A効果が大きいエフピコ<7947>(東1)は、今3月期業績を2回上方修正して増配も予定、現在、自己株式取得も実施中だ。2021年2月期業績の下方修正から一転した上方修正に進んだダイセキ<9793>(東1)とともに、主力リサイクル関連株人気の高まりが期待できそうだ。

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