【編集長の視点】リョーサンは業績上方修正を見直して割安自動車関連株買いが再燃し反発

 リョーサン<8140>(東1)は、前日3日に19円高の2214円と反発して引け、今年1月27日につけた直近高値2493円を窺う動きを強めた。今年1月26日に発表した今2021年3月期通期業績の上方修正、V字回復業績を見直し割安自動車関連株買いが再燃した。テクニカル的にも、この業績修正により株価が窓を開けて急伸し、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し、上昇トレンド転換を示唆したことも側面支援材料となっている。

■過半を占める車載向け中心に半導体事業が3Qに大きく回復

 同社の業績は、前2020年3月期業績が、期初予想を下ぶれ減収減益率を悪化させて着地したあと、今2021年3月期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)、第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)と減収減益で推移し、この時点で期初に未定としていた今2021年3月期の業績見通しを開示し、連続の減収減益と見込んだ。ただ今年1月26日に発表した今期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)決算では経常利益、純利益が増益転換して着地するとともに、3月期通期予想業績を上方修正した。

 売り上げを150億円、営業利益を14億円、経常利益を19億円、純利益を13億円それぞれ引き上げ、売り上げ2150億円(前期比5.4%減)、営業利益36億円(同15.8%増)、経常利益45億円(同84.3%増)、純利益35億円(同2.93倍)と大幅増益転換を見込んでいる。売り上げの53%を占める車載用途向けが回復基調となり、半導体事業が1Q、2Q、3Qと回復を鮮明化、1Q3カ月の売り上げ257億円、営業利益1億6300万円が、3Q3カ月に同じく370億円、8億1700万円に拡大したことなどが寄与した。純利益は、前期に計上した不動在庫の廃棄損や構造改革関連費用が一巡してV字回復する。

■GC示現で上昇トレンド転換しPER14倍、PBR0.5倍の修正に再発進

 株価は、昨年1月の昨年来高値2803円からコロナ・ショック安、前期業績の下ぶれ着地・減配、今期1Q・2Q業績の低迷が響いて下値を探り、昨年11月に昨年来安値1855円まで調整する下降トレンドが続いた。それが今年1月の業績上方修正とともに窓を開けて2493円高値へ急伸し、25日線と75日線が交錯するGCを示現して上昇トレンド転換した。足元では急伸時に開けた窓埋めを完了しており、PERは14倍台、とくにPBRは0.59倍と大きく割り負けている。直近高値抜けから昨年来高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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