インテージホールディングスは上値試す、21年6月期は再上振れの可能性

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 インテージホールディングス<4326>(東1)は市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも積極展開している。21年6月期は一部の分野で新型コロナウイルスの影響を受けたが、定性調査のオンライン化対応なども寄与して需要が想定以上に回復基調であり、再上振れの可能性が高いだろう。中期的にも収益拡大基調を期待したい。株価は2月の昨年来高値圏から一旦反落したが素早く切り返している。上値を試す展開を期待したい。

■国内首位の市場調査が主力

 子会社インテージのSCI(全国個人消費者パネル調査)やi-SSP(インテージシングルソースパネル)など、国内首位・世界10位(GRBN 2018 Global Top25 Report)の市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。

 セグメント区分は、消費財・サービス分野のマーケティング支援、ヘルスケア分野のマーケティング支援、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンスとしている。

 消費財・サービス分野のマーケティング支援では、データサービスやカスタムリサーチなどを展開している。独自収集した各種パネル調査やカスタムリサーチから得られたデータを基に、高度なリサーチ技術やデータ解析力を駆使して、消費財メーカーを中心に企業のマーケティング活動をトータルサポートしている。事業会社はインテージ、インテージリサーチ、アクセス・ジェーピー、および海外子会社である。

 ヘルスケア分野のマーケティング支援では、一般用医薬品・医療用医薬品の市場調査、製薬企業からの委託によるデータマネジメント・解析業務、医薬品開発をサポートするCRO業務などを展開している。事業会社は、インテージヘルスケアの直下に医療情報総合研究所、プラメド、Plamed Korea、協和企画の4社を置く体制としている。

 ビジネスインテリジェンスでは、ソフトウェア開発やシステム構築・運用などを展開している。事業会社はインテージテクノスフィア、ビルドシステム、エヌ・エス・ケイなどである。

 20年6月期(決算期変更15ヶ月決算)のセグメント別売上構成比は消費財・サービス分野のマーケティング支援が62%、ヘルスケア分野のマーケティング支援が25%、ビジネスインテリジェンスが13%、営業利益構成比は消費財・サービス分野のマーケティング支援が37%、ヘルスケア分野のマーケティング支援が45%、ビジネスインテリジェンスが18%だった。

■次世代SRIサービス「SRI+」を核に総合力向上

 第13次中期経営計画では目標値に23年6月期売上高625億円、営業利益50億円、営業利益率8.0%を掲げている。目指すべき姿を「データを核として、顧客ビジネス課題解決や意思決定に深く関与・伴走し、ビジネス創造と変革に寄与できる存在」として、次世代成長ドライバー確立などグループ間連携による対応領域の創造と拡張を推進する。またデジタル環境の変化に対応するため、積極的な事業投資やM&Aも継続して実施する方針だ。

 消費財・サービス分野のマーケティング支援では、次世代SRI(全国小売店パネル調査)サービスの「SRI+」(ECデータ含む)を、21年1月本リリース(ECデータは20年1月本リリース、21年1月SRI+と統合)した。今後は「SRI+」を核としてソリューションおよびパートナー連携による総合力向上を図り、収益拡大につなげる方針だ。

 また定量的な行動観察を可能にした動画解析プラットフォーム「Label Note(仮)」のリリースに向けて準備中である。

 なお20年12月には、インテージグループR&Dセンターが、ライフテクノロジー社の食事・運動・体重管理スマホアプリ「カロミル」を活用して、日常生活の活動量と食事の関連性、および活動量の変化を検証する研究を開始すると発表した。期間は21年1月中旬~21年5月下旬の予定である。

 SBIインベストメントと共同設立のINTAGE Open Innovation Fundは、パーソナルAI「al+」開発のオルツ、WEBリサーチのリサーチ・アンド・イノベーション、IoTデータ流通プラットフォームの米EverySense、訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke」のPaykeなどに投資している。20年9月時点の投資実績は23社、合計約24.8億円である。

■21年6月期2Q累計は計画超、通期予想を上方修正

 21年6月期の連結業績予想(20年6月期が決算期変更で15ヶ月決算のため前期との比較なし)は2月9日に上方修正して、売上高が575億円、営業利益が36億60百万円、経常利益が41億円、当期純利益が28億円としている。配当予想は据え置いて24円(期末一括)としている。

 参考値として前年同期間(19年7月~20年6月)との比較で見ると、売上高は3.5%増収、営業利益は0.1%増益、経常利益は11.7%増益、当期純利益は70.2%増益予想となる。

 第2四半期累計(7月~12月)は売上高が273億30百万円、営業利益が18億85百万円、経常利益が22億53百万円、四半期純利益が16億12百万円だった。営業外収益に投資事業組合運用益2億83百万円、特別利益に投資有価証券売却益3億24百万円、特別損失に投資有価証券評価損1億62百万円を計上した。前年同期間(19年7月~12月)との比較で見ると売上高は0.9%減収、営業利益は16.1%減益、経常利益は2.1%増益、四半期純利益は10.1%増益となる。

 前年同期間との比較では減収・営業減益だった。新型コロナウイルスの影響でオフライン調査やCROなど一部業務において延期や中止が発生し、営業活動も制約を受けた。セグメント別には、消費財・サービス分野マーケティング支援が2.3%減収で38.7%減益、ヘルスケア分野マーケティング支援が3.9%増収で20.8%増益、ビジネスインテリジェンスが3.8%減収で73.8%減益だった。

 ただし売上高、利益とも期初計画を大幅に上回った。第2四半期に顧客の予算執行が集中して需要回復基調となり、10月~12月期として過去最高の売上高、営業利益となった。定性調査のオンライン化対応など業務見直しも寄与した。四半期別に見ると、第1四半期は売上高127億14百万円で営業利益2億66百万円、第2四半期は売上高146億16百万円で営業利益16億19百万円だった。

 第2四半期累計が計画を上回ったため、通期予想も上方修正した。セグメント別営業利益は、消費財・サービス分野マーケティング支援を6億40百万円増額して12億90百万円、ヘルスケア分野マーケティング支援を5億50百万円増額して21億円、ビジネスインテリジェンスを1億30百万円減額して2億70百万円とした。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.5%、営業利益が51.5%である。需要が回復基調であることを勘案すれば、通期予想に再上振れ余地がありそうだ。中期的にも収益拡大基調を期待したい。

■株主優待は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度については、決算期変更に伴って基準日を変更している。従来の毎年9月30日対象から、毎年12月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)する。21年6月期対象から変更した。

■株価は上値試す

 株価は2月の昨年来高値圏から一旦反落したが素早く切り返している。上値を試す展開を期待したい。3月3日の終値は1234円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円08銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS704円73銭で算出)は約1.8倍、時価総額は約499億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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