【特集】景気敏感株、バリュー株の最後発・最出遅れセクターとして専門商社株に注目

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特集 今週の当特集では、景気敏感株、バリュー株の最後発・最出遅れセクターとして専門商社株に注目することとした。専門商社株は、素材関連、ハイテク関連を問わず値ごろ妙味があり、PER・PBR評価も割安であり、なかでも今2021年3月期業績を上方修正した銘柄が数多い。あの米国の著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるフアンドの上位に組み入れた伊藤忠商事<8001>(東1)に代表される総合商社は、すでに「ソウゴウショウシャ」として世界共通語として定着している。専門商社も、同じく日本型ビジネスモデルの「センモンショウシャ」と世界共通語への認知度が高まることになれば、「ソウゴウショウシャ」からの周回遅れの挽回が加速することは請け合いとなりそうだ。

■素材系では鉄鋼・化学・エネルギー関連に業績上方修正が相次ぐ

素材関連の専門商社で今期業績を上方修正したのは、鉄鋼関連と化学関連が中心となっている。鉄鋼関連ではコード番号順に列挙すると小野建<7414>(東1)、佐藤商事<8065>(東1)、神鋼商事<8075>(東1)、阪和興業<8078>(東1)、日鉄物産<9810>(東1)となる。このうち佐藤商事は、今期業績を2回上方修正し、小野建と神鋼商は、業績上方修正と同時に増配も発表した。PERはほとんどが1ケタ台、PBRは0.3倍、0.5倍と大手商社株の半分にとどまっている銘柄がゴロゴロしている。株価変動率も伊藤忠、丸紅<8002>(東1)、三井物産<8031>(東1)が昨年来安値から今年2~3月の昨年来高値まで70~80%高しているのに対して30%~40%高程度と周回遅れとなっているだけに、上値余地の大きさを示唆している。

化学関連では同じくコード番号順に上げると長瀬産業<8012>(東1)、稲畑産業<8098>(東1)、明和産業<8103>(東1)と続き、長瀬産業と明和産業は今期配当を増配し、長瀬産業は、自己株式の取得と消却も合わせて開示した。昭光通商<8090>(東1)が、丸紅<8002>(東1)系ファンドに株式公開買い付け(TOB)されることも業界再編思惑を強め側面支援材料となりそうだ。燃料商社でも業績を上方修正したカメイ<8037>(東1)、三愛石油<8097>(東1)は外せない。

■ハイテク関連では半導体商社、機械・工具商社がバリュー株特性を内包

ハイテク関連では電子部品・半導体関連の専門商社で業績上方修正が目立ち、しかも先発組では今期第1四半期入通過で公表するなど早期立ち上がりを示した。これもコード番号順に上げるとトーメンデバイス<2737>(東1)、マクニカ・富士エレホールディングス<3132>(東1)、レスターホールディングス<3156>(東1)、伯東<7433>(東1)、東海エレクトロニクス<8071>(名2)、リョーサン<8140>(東1)、新光商事<8141>(東1)、三信電気<8150>(東1)、菱電商事<8084>(東1)、加賀電子<8154>(東1)となる。PBRはほとんどが1倍以下、PERも6倍~15倍の割安評価水準に分布しバリュー株特性を示唆している。

また機械・機械工具関連の専門商社でも山善<8051>(東1)、第一実業<8059>(東1)、西華産業<8061>(東1)、東京産業<8070>(東1)、テクノアソシエ<8249>(東2)などが、今期業績を上方修正した。

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