恵和は上値試す、21年12月期大幅増益予想
- 2021/3/8 08:33
- 株式投資ニュース
恵和<4251>(東1)は光学シート事業と機能製品事業を展開している。21年12月期はテレワーク等でノートPCやタブレット関連の需要が好調に推移し、光学シート事業が牽引して大幅増益予想としている。収益拡大基調を期待したい。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが、日柄調整完了して上値を試す展開を期待したい。
■光学シート事業と機能製品事業
光学シート事業(液晶ディスプレイのバックライトユニットに使用される特殊光学シートの光拡散フィルム、高機能光学フィルム、複合拡散板)と、機能製品事業(防湿性・耐熱性・耐久性等の特定機能を付加した産業用包装資材、工程紙、農業資材、クリーンエネルギー資材、インフラ関連資材)を展開している。20年12月期の売上構成比は光学シート事業66%、機能製品事業34%だった。
光学シート事業では直下型ディスプレイ部材としての複合拡散板、機能製品事業では次世代エコカー電池用部材としてのクリーンエネルギー資材、コンクリート保護シートなど拡販を強化している。
20年12月には、クリーンエネルギー資材分野の高機能フィルムが、トヨタ自動車<7203>の燃料電池自動車「MIRAI」の燃料電池関連部材として採用された。
21年2月には生産集約に伴う工場移転統廃合を発表した。SAFC K-Site(旧九州工場)での生産品目を滋賀AFセンターに移管(21年10月末予定)する。
■21年12月期大幅増益予想
21年12月期連結業績予想は、売上高が20年12月期比0.9%増の148億74百万円、営業利益が22.0%増の13億44百万円、経常利益が30.3%増の12億98百万円、当期純利益が34.3%増の9億94百万円としている。
光学シート事業は18.0%増収で15.4%増益、機能製品事業は32.6%減収で11.4%減益の計画としている。
光学シート事業はテレワーク等でノートPCやタブレット関連の需要が好調に推移し、高精細需要に応える直下型mini LED液晶の採用拡大に伴って複合拡散板が大幅伸長する見込みだ。機能製品事業は新型コロナウイルスの影響で既存分野の受注が減少するが、利益の少ない品目の整理、工場移転統廃合による生産体制合理化など、事業再構築に取り組む方針としている。収益拡大基調を期待したい。
■株価は上値試す
株価(20年12月17日付で東証2部から東証1部に指定替え)は戻り高値圏でモミ合う形だが、日柄調整完了して上値を試す展開を期待したい。3月5日の終値は2044円、時価総額は約180億円である。