【業績でみる株価】フランスベッドはメディカルサービス事業好調、営業利益の9割稼ぎ業績伸長の原動力、18年に向けさらに飛躍

業績で見る株価

フランスベッドホールディングス<7840>(東1・売買単位1000株)の「メディカルサービス事業」が好調に拡大している。2010年3月期までは介護福祉用具事業だったが、2011年3月期からメディカルサービス事業として独立した事業区分となっている。

同事業の売上は2011年3月期には216億6400万円だったが、2015年3月期には283億9700万円と31.0%の伸長で売上構成比率もこの間、44.8%から54.7%にアップした。一方、メデ゙ィカルサービス事業の営業利益は2011年の14億3600万円から2015年3月期には20億8200万円と、この間の伸びは44.9%と売上の伸びを上回っている。また、全体の営業利益に対する同事業の営業利益は2015年3月期で96.4%を占め稼ぎ頭となっている。

さらに、2018年3月期を最終年度とした中期計画ではメディカルサービス事業の売上を328億5000万円と10.7%増を見込み、同事業営業利益でも29億5000万円と現在より77.4%増益を見込んでいる。

同社の強みは、(1)福祉用具貸与及び福祉用具メーカーのパイオニア、(2)全国に展開する拠点網(15年3月期で営業所74カ所、代理店1500店)、(3)ブランド力の高さ、(4)市場ニーズに合致した商品開発力、(5)健全な財務体質、などである。

同社の分厚い福祉用具販売・レンタルカタログが示す通り、ベッド及びベッド関連品、床ずれ防止用具・体位変換器、寝装品、車イス、歩行器・つえ・手すり、リフト・いす段差解消機、排泄関連用品、入浴関連商品、生活支援用品、住宅改修、医療機器など非常に豊富である。

最近では、「超低床フロアベッド」、電動三輪車車イス「スマートパル」、認知症の方の転倒を防ぐ「転ばない車いす」、移動が可能な1台で寝室、ダイニング、リビングで使える「マルチファンクションリビングアップチェア」、介護者の腰痛対策をサポートする「電動リフトアップ車イス」、「徘徊防止外出通報システム」などを投入している。

2015年3月期は消費税の影響で減収減益だったが、2016年3月期は売上3.0%増の535億円、営業利益27.6%増の22億円の見通し。今年10月1日で5株を1株の割合で株式併合を予定、併合後の今期1株利益は25.6円、配当は年12円50銭の見通し。

株価は2011年3月の安値72円から2013年5月の248円まで3.4倍に上昇。その後は、2015年3月期の減収減益から170円台を下値に190円を挟んでモミ合っている。

高齢化社会の本格化で事業環境は良く、とくに、同社はアクティブシニアをターゲットに新製品開発を進めていく。2018年3月期には全体の売上578億円、営業利益34億5000万円を目指している。現在の株価180円台は株式併合後の計算では910円前後。足元では今期の2ケタ増益から2014年1月以来となる200円台を目指す展開が予想されそうだ。

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