【注目銘柄】コクヨは前日比変わらずも増益転換予想業績と自社株買いを手掛かりに押し目買い交錯

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 コクヨ<7984>(東1)は、前日11日に前日比変わらずで引けた。前々日10日まで4営業日続伸で昨年1月につけた昨年来高値1684円に接近し、25日移動平均線から9%超の上方かい離となったことから目先の利益を確定する売り物が出た。ただ今年2月12日に発表した12月期決算で、前2020年12月期業績が、昨年10月の上方修正値を上ぶれて着地し、増収増益転換を見込んだ今2021年3月期業績が、市場コンセンサスを上回っていることを手掛かりに押し目買いも交錯した。今年3月1日から進めている自己株式取得も、フォローの材料視されている。

■空間価値ドメインなど全ドメインが増収増益転換

 同社の前2020年12月期業績は、第1四半期(2020年1月~3月期、1Q)、第2四半期(同1月~6月期、2Q)と第3四半期(同1月~9月期、3Q)とでは様変わりとなった。1Qでは、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明として期初予想業績と配当を未定に変更し、2Qでは改めて12月期通期予想業績と配当予想を開示したが、期初予想より下方修正、減配となった。これに対して3Qではその下方修正値を上方修正し、今年2月発表の前期業績は、その上方修正値を上ぶれ前々期6.1%減収、11.6%営業減益、22.1%経常減益、45.8%純益減益で着地した。

 続く今2021年12月期業績は、売り上げ3110億円(前期比3.4%増)、営業利益152億円(同2.7%増)、経常利益160億円(同12.9%増)、純利益118億円(同42.2%増)と増収増益転換を見込み、利益は、市場コンセンサスを10億円~20億円上回る。働き方改革の推進にともないオフィス家具などが続伸する空間価値ドメインなど全ドメインの売上高、営業利益がプラス転換することが寄与する。

 自己株式取得は、売上高5000億円を目指す長期ビジョンを達成するため資本効率を向上させる一環として推進するもので、取得枠は350万株(発行済み株式数の3.0%)、取得総額を50億円、取得期間を3月1日から来年2月28日までとして実施中である。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し低PER・PBR修正に弾み

 株価は、昨年3月にコロナ・ショック安で1143円安値まで下げ、前期1Q決算時の業績・配当未定変更に続く2Q決算発表時の下方修正・減配で昨年来安値1090円へダメ押しした。同安値から3Q決算発表時の業績上方修正で1400円台へリバウンドし、今年2月の今期業績の増収増益転換予想に自己株式取得がオンして1644円まで上値を伸ばし、25日移動平均線が75日移動平均線をクリアするゴールデン・クロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは16倍台、PBRは0.86倍と市場平均に比べて割安であり、昨年1月高値1684円を上抜き、2019年12月高値1730円を通過点に2018年10月以来の2000円大々台奪回を目指そう。

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