【特集】ファンタメンタルズ、バリエーションに加えてプラス・アルファ(α)を内包する銘柄に注目

東京証券取引所

特集 今週の当特集は、ファンタメンタルズ、バリエーションに加えてプラス・アルファ(α)を内包する銘柄に注目することにした。プラスαとは、オーナー企業であるか、グローバル・ニッチ企業であるかの2点である。オーナー企業は、オーナー自身が大株主で、その目線は株主価値の最大化、高株価政策の推進を期待する点では一般投資家と同じである。またグローバル・ニッチ企業は、その世界的な高シェアを誇る製品が業績、株価に大きく反映されて行くはずである。グロース株かバリュー株かマーケットが揺れ動くなか、ややバリュー株側に寄るプラスα銘柄に短期・中長期張りの二刀流投資へトライしたい。

■東証第1部から新興市場まで低PER放置株がゾロゾロ

オーナー企業株は、日本電産<6594>(東1)やソフトバンクグループ<9984>(東1)などが代表株で値がさ主力株の常連である、しかしここでは低PER株ランキングの上位にランクインする中・小型株に絞りたい。東証第1部では低PER順に上げるとノジマ<7419>(東1)、メガチップス<6875>(東1)、グローバル・リンク・マネジメント<3486>(東1)、コーナン商事<7516>(東1)、ファーストブラザーズ<3454>(東1)と続いてベスト5となり、ノジマのPER評価はわずか3倍でしかなく、5位のファーストブラザーズは5.4倍である。しかも、いずれも好調な本業に加えて積極的なM&Aによる特別利益の寄与で業績を上方修正し、自己株式取得、増配などの株主還元策も相次いで実施している。

東証第2部ではマルヨシセンター<7515>(東1)、カワサキ<3045>、ICDAホールディングス<3184>(東2)、ジュンテンドー<9835>(東2)、セントラル総合開発<3238>(東2)、ジャスダック市場では高見澤<5283>(JQS)、今村証券<7175>(JQS)、シー・エス・ランバー<7808>(JQS)、ヤマックス<5285>(JQS)、高橋カーテンウォール<1994>(JQS)がそれぞれ低ERのトップ5で、東証マザーズ市場でもロードスターキャピタル<3482>(東マ)が、PER5倍台で有資格株となる。

■世界的なトップシェア製品を背景に業績上方修正も相次ぐ

グローバル・ニッチ企業は、やや古いが経済産業省が「グローバル・ニッチ企業100選」(2020年版)として選定した113社がスクリーニングの対象となる。同リストではおよそ19銘柄が、足元で昨年来高値を更新する人気となっているが、113社のなかでPER評価の低いトップ10の適格銘柄に注目したい。PER5倍台の産業ロボットの関節用精密減速機のナブテスコ<6268>(東1)以下、古野電気<6814>(東1)、大同工業<6373>(東1)、日華化学<4463>(東1)、萩原工業<7856>(東1)、旭有機材<4216>(東1)、昭和真空<6384>(JQS)、日機装<6376>(東1)、太平洋工業<7250>(東1)、酉島製作所<6363>(東1)と続き、第10位の酉島製のPERは14倍台と市場平均を下回る。

このうちナブテスコは、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>(JQS)との協業解消・持分法適用会社への異動に伴う評価益が加わって今2021年12月期純利益が、5.4倍増益と過去最高を更新し、古野電気、日華化学、太平洋工業は業績を2回上方修正し、大同工業、昭和真空、酉島製作所は各1回業績を上方修正した。また番外編としてPER評価は32倍台と割高だが、今年3月31日を基準日に株式分割(1株を2株に分割)を予定している日進工具<6157>(東1)は、今2021年3月期業績を上方修正しているだけに株式分割の権利取り妙味を示唆している。

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