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システムサポートは反発の動き、21年6月期は利益上振れの可能性
- 2021/3/19 08:26
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
システムサポート<4396>(東1)は、データベース関連・クラウド関連・ERP関連のソリューション事業を主力としている。ストック収益のプライベート型クラウドサービスの拡大や、自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販などを推進している。21年6月期増収増益予想である。さらに利益予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■ソリューション事業が主力
データベース関連・クラウド関連・ERP関連サービスなどのソリューション事業を主力として、データセンターサービスやシステム保守・運用などのアウトソーシング事業、パッケージソフト開発・販売などのプロダクト事業も展開している。
20年6月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比は、ソリューション事業が83%、アウトソーシング事業が13%、プロダクト事業が4%、その他が0%、売上総利益構成比はソリューション事業が76%、アウトソーシング事業が15%、プロダクト事業が9%、その他が▲0%だった。
主力のソリューション事業は、Oracleデータベースの設計・構築・保守・運用などのデータベース関連サービス、AWSやAzureの基盤構築・導入・移行支援などのクラウド関連サービス、SAPの導入・保守・運用などのERP関連サービス、およびITシステム開発を展開している。
収益力向上に向けてストック収益のプライベート型クラウドサービスを拡大するため、地震の少ない金沢市にデータセンターを設置し、プロダクト事業では自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販を推進している。また米国シリコンバレーに子会社を設立し、最先端のIT技術・サービスの発掘に努めている。
20年9月には建築業向け工事管理システム「建て役者」について、弁護士ドットコム<6027>のWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」と連携する新オプション機能の提供開始を発表した。20年10月には、米国ServiceNow社の危機対応管理アプリとLINE<3938>のコミュニケーションアプリ「LINE」を連携するアプリを開発し、提供開始した。20年12月には「建て役者」とワークスモバイルジャパンの仕事用「LINE WORKS」が連携した。
21年2月には、持込パソコン・持込メディアのウイルス感染有無を検査して社内ネットワーク接続可否を判定するセキュリティチェックシステム「PC検疫 けんちくん」の提供を開始した。3月11日には「LINE WORKS」と「建て役者」の連携機能第2弾として、点検訪問の効率化をサポートする「点検bot」を提供開始すると発表した。
■データベース領域やクラウド領域での高い技術力が強み
データベース領域やクラウド領域での高い技術力を強みとしている。
データベース領域では、Oracleデータベース技術者に対する最高峰の認定資格ORACLE MASTER Platinum保有者数が国内累計3位、単年2位(18年8月時点)である。また19年度のORACLE Cloud Platform(PaaS/IaaS)認定資格取得数が国内1位となり、ORACLE Certification Awardを受賞した。
クラウド領域では、米アマゾン社のクラウドサービスAWSに関して、AWSコンピテンシープログラムでOracleコンピテンシーを取得している日本企業のうちの1社である。さらに米マイクロソフト社のクラウドサービスAzureに関して、Gold Cloud Platformパートナーに認定されている。
20年11月にはマイクロソフトのパートナープログラムにおいてAdvanced Specializationを取得した。また金沢市および日本マイクロソフトとの三者で、クラウドを活用した地域活性化に関する連携協定を締結した。
■21年6月期は利益上振れの可能性
21年6月期連結業績予想は、売上高が20年6月期比7.2%増の143億42百万円で、営業利益が5.8%増の7億98百万円、経常利益が10.3%増の7億85百万円、当期純利益が15.3%増の5億18百万円としている。配当予想(2月10日に期末10円上方修正)は20年6月期比10円増配の20円(期末一括)である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比5.2%増の69億17百万円、営業利益が25.1%増の5億08百万円、経常利益が38.4%増の5億17百万円、四半期純利益が43.6%増の3億44百万円だった。売上高は計画をやや下回ったが増収を確保し、原価率改善や販管費抑制も寄与して計画超の大幅増益だった。
ソリューション事業は4.9%増収で8.6%増益だった。高利益率のクラウドシステム(ServiceNow)導入など、クラウドサービス利用支援分野の受注が好調だった。アウトソーシング事業は9.3%増収で18.2%増益だった。AI関連サービスを含めたデータセンター業務が好調だった。プロダクト事業は1.1%減収で11.8%減益だった。前年の「建て役者」の大型カスタマイズ案件の反動で減収減益だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高32億77百万円で営業利益2億02百万円、第2四半期は売上高36億40百万円で営業利益3億06百万円だった。
通期予想は新型コロナウイルスの影響の不透明感を考慮して据え置いたが、需要が引き続き堅調に推移して増収増益予想としている。重点施策として、ソリューション事業においてはデータベースおよびクラウド基盤関連の強化、米国発の企業向けクラウドサービス「ServiceNow」導入・利用支援の強化、ストック収益となるデータセンターの稼働率上昇、自社プロダクトの販売強化などを推進する方針だ。
第2四半期累計の進捗率は売上高が48.2%、営業利益が63.7%、経常利益が65.9%、純利益が66.4%だった。利益進捗率が高水準であり、通期も利益予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。
■株価は反発の動き
株価(20年6月1日付で株式2分割)は上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。基調転換して出直りを期待したい。3月18日の終値は1662円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円32銭で算出)は約33倍、今期用配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS239円45銭で算出)は約6.9倍、時価総額は約172億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)